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日米印航空共同演習が日本の重要性を上げる!

2015年10月8日(木)

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 9月末、日米印3カ国の外相会談が行われた。初めてのことだ。この10月には日米印海上共同演習も実施される。さらに、来年にはインドで日米豪印中韓ロとASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟する10カ国すべてが参加する共同演習を実施する予定だ(注1)。それぞれ日本の海上自衛隊と、陸上自衛隊が関わる演習になる模様である。

 こうなれば、次に注目されるのは航空自衛隊の動きだ。中国のメディアが、日印による航空共同演習の可能性を報じている(注2)。中国は気にしているようだ。これまで日印間では、航空自衛隊とインド空軍との間で輸送機部隊の交流、テストパイロットの交流などを実施することで合意している。もし日印間で航空共同演習が始まるなら、それはとても意義あるものになろう。

 具体的にどのような意義があるのか、それは日本の国益にどうかかわるのだろうか。本稿で検証する。

(注1)“US, China to be part of Indian Army's largest joint drill in Pune next year”, (The Economic Times, 27 Sep, 2015)
(注2)“Indo-Japan defence ties 'dangerous' for Asia: Chinese expert” (The Economic Times, (The Economic Times, 5 Aug 2015)

対中戦略上有効

 日印で空軍連携することは日本にとってどのような利益があるのだろうか。少なくとも3つ考えられる。戦略上の利益と、戦術上の利益、そして武器輸出上の利益だ。

 まず戦略上の利益について。日印が航空共同演習をすることは、特に対中戦略上の利益がある。中国を対象とした空軍のミリタリーバランスに、影響を与えるからだ。

 最近の中国軍の動向をみると、海空戦力の近代化が中心になっている。そのため、中国軍の新型戦闘機の数は、2000年の125機から2015年の1000機弱にまで増加している(注3)。同じ定義に基づけば、日本は170機から300機弱になっただけだ。この数字からわかるのは、年々、日本だけで中国空軍と対峙するのは大変になりつつあること。そして、将来はもっと大変になることだ。

 そうなるとまず、日米同盟の重要性が高まる。しかし、それだけでは不十分かもしれない。米国のランド研究所の分析では、中国は弾道ミサイルを使って沖縄の嘉手納基地を16〜43日の間、使用できない状態にすることができる(注4)。短期決戦なら、中国は米国の動きを封じることができるのだ。中国はこのようなミリタリーバランスを背景に、強気の外交を展開してくるだろう。

(注3) 本稿において「新型戦闘機」とは、主に1980年代以降に配備された戦闘機を指す。日本のF-15とF-2、中国のSu-27、Su-30、J-10、J-11、JH-7を対象としてInternational Institute for Strategic Studies, The Military Balanceを用いて数えた。
(注4)Eric Heginbotham, Michael Nixon, Forrest E. Morgan, Jacob Heim, Jeff Hagen, Sheng Li, Jeffrey Engstrom, Martin C. Libicki, Paul DeLuca, David A. Shlapak, David R. Frelinger, Burgess Laird, Kyle Brady, Lyle J. Morris, “Chinese Attacks on Air Bases in Asia: An Assessment of Relative Capabilities, 1996-2017” (Rand Cooperation, 2015)

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「日米印航空共同演習が日本の重要性を上げる!」の著者

長尾 賢

長尾 賢(ながお・さとる)

未来工学研究所研究員

2001年、学習院大卒。自衛隊、外務省勤務後、学習院大学大学院でインドの軍事戦略を研究、博士取得。現在、未来工学研究所研究員と日本戦略研究フォーラムの研究員、学習院大学東洋文化研究所客員研究員。専門は安全保障、インド。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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