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ネガティブな指示を効果的に出すには

第17話 「叱る」の極意

2015年10月5日(月)

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 まだまだ寒い、早春のある日。

 ズズズズズーーーー!

 手の中の紐が勢いよく引っ張られ、馬場の砂と靴が擦れ合う。

 「イタイッ!」

 思わず声が出て、紐を手放す。

 軍手は破れ、手のひらの皮が剥けて血がにじみ出る。

 私がやっているのは、調馬策といって、馬に紐をつけて、自分の周りを弧を描いて歩いたり、走ったりさせるトレーニングだ。

 紐の先の馬、ストーミーは、

 「やりたくない! 意味わからない! 」

とばかり、全力で、反抗し続けている。

 「かわいい顔して、まったくもう!」(のちに、この気持ちが既に問題であることがわかってくるのだが、その話はまた今度)

 馬場の隅まで逃げ込み、ストーミーは悠々と餌を食べるポーズ。

 少し、気の抜けた私に、

 「急いで捕まえて。きちんと叱らないと! 」

と、牧場責任者のこもりさんからの勢いある声が飛ぶ。

 「はいっ」

 慌てて動き、ストーミーを捕まえる。

 馬のプロになる人たちは、空気とか間合いといった見えないものが見えているなあ、とこういうときに思う。

 ストーミーは、フランスのカマルグという種のメスの子馬。大きくなると真っ白くなる美しい馬だ。昨年12月から、通常、馬の専門家の方々が行う「調教」と呼ばれる馬のトレーニングを私がやっている。いってみれば、子育てを始めた気分だ。

 子育てはリーダーシップ研修でもある、という人もいる。確かにそういう側面はあると企業人時代、私も思っていた。すべての子育てではなく、きちんと真正面から取り組めば、という条件付きの話。しかし子育てでは、実験や失敗は、かなり辛い。その点馬ならば…。馬先生にはとても悪いなと思いつつ、私はこの貴重な機会に、本当に感謝している(逆に、子育てに悩んでいる方にも、馬先生のトレーニングは最適です)。

 しかし、最近はストーミーと向き合うのが恐ろしい。

 日々成長していくストーミーの姿をみていると、体力、知力、気力、あらゆる面で、いやになるほどクッキリハッキリ、私のダメっぷりがわかる。ダメなところがわかっているということは、克服すればその先のレベルへと進めるということでもある。しかも、馬との世界でこっそり訓練して成長すれば、人間界での仕事や暮らしもよくなるだろう、という希望が湧いてくる。

 ということで、これからしばらく、馬先生に教えてもらった、私のダメッぷりとその克服(途上ですが)の様子を書かせていただきます。馬先生の振る舞いを、あなたのまわりの「思い通りにならない」上司部下同僚に読み替えていただければ幸いです。

 今回は、その一。「叱る極意」について。

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「ネガティブな指示を効果的に出すには」の著者

小日向 素子

小日向 素子(こびなた・もとこ)

株式会社コース代表

大手通信企業、外資系IT系企業等でマーケティングを担当。2009年独立。2010年からブックラウンジココロウタ主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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