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「おとぎの国・東京」を外国人に売り込むには

タイムアウト東京の伏谷博之代表が語る東京の魅力(後編)

2016年1月21日(木)

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 21世紀は都市間競争の時代だ。2020年東京五輪に向けて都市の改造や再開発が進む中、東京が世界で最も魅力的な「グローバル都市TOKYO」に進化するにはどうすればいいのか。2020年以降を見据えて「TOKYO」の持続的発展と課題解決に向けた具体的な提言を続けてきた(詳細は「NeXTOKYO Project」参照)。

 TOKYOの進化の方向性を、NeXTOKYOメンバーである各界のキーパーソンと語り、 未来へのヒントを探る。今回はタイムアウト東京の代表取締役の伏谷博之氏。『タイムアウト東京』は、地域密着型のシティーガイドとして世界で定評があり、その東京版も訪日外国人に支持されている。同誌を発行する伏谷氏は、東京のどんな部分を訪日外国人が楽しんでいると感じているのか。聞き手はA.T.カーニー日本法人会長の梅澤高明(NeXTOKYOプロジェクト)、構成は宮本恵理子。

タイムアウト東京代表取締役。1966年島根県生まれ。関西外国語大学在学中にタワーレコードに入社。卒業後も同社でキャリアを積み、新宿ルミネ店店長、マーケティング本部長、マーケティング担当執行役員を経て、2005年に社長に就任。同年にナップスタージャパンを、07年にはオリジナルを立ち上げる。09年にライフスタイルマガジン『タイムアウト』のライセンス契約を取得し、タイムアウト東京を設立。代表取締役を務め、主に訪日外国人を対象とする『タイムアウト東京』を発行する(撮影:竹井 俊晴、ほかも同じ)

前編で、伏谷さんは日本に来る外国人にとって一番の楽しみは「体験」に尽きるとおっしゃいました(詳細は「外国人観光客を魅了する“DO”という観光資産」)。訪日外国人は、日本にどんな印象を抱いているのでしょうか。

伏谷 :ひと言で言うと「おとぎの国」です。3年前ぐらい前に『タイムアウト』のテルアビブのパブリッシャーが来日して1週間ほど東京に滞在したんですが、彼は「東京は妖精の国だ」と表現しました。明治期に日本に来て東京大学で教鞭を取った英国人、チェンバレンも同じように紹介していますね。

 僕らはまったく自覚がないですが、例えば一般家庭の食卓に、大小のきれいな器が何種類も並んだり、着るものも細かいところに非常に気を使っていたりする。細部に心を行き届かせるところに、「妖精」を感じるようです。

 当誌の創刊号でも紹介しましたが、バルセロナ在住のセサル・オルドネスという写真家が、東京の街で女性の足元だけ撮った写真シリーズがあるんです。足元だけなのに、すごくバリエーションがあって面白い。彼に「パリやニューヨークではやらないの」と聞いたら、「これは東京でしか成立しない」と言う。「海外は靴も似ているし、歩く歩幅もスピードも同じでつまらない。東京の女性たちは、それぞれに違うデザインの靴を楽しんでいて、ソックスにもこだわる。こんな都市はない」と。

似たような感想は、僕も度々耳にします。「ベルリン・スクール・オブ・クリエイティブ・リーダーシップ」というエグゼクティブMBAコースの参加者が、上海と東京を毎年訪れています。一橋大学ICSがホストする東京プログラムで、私はクールジャパン・セッションを担当していますが、世界のクリエーティブ産業のエリートたちが東京に来てまず驚くのは、消費者の異様なレベルの高さです。「上海は確かに勢いを感じるけれど、目に付くのは欧米のハイブランドばかり。一方の東京では、ほかの都市で見たことのないようなユニークなファッションの女性が街にたくさんいる。よく見ると、東京発のブランドと海外のハイブランドを自分なりのセンスでコーディネートしている。着こなしのアイデアの宝庫だ」と言うのです。まさに細部にこだわる妖精の国ですね。

伏谷 :昔も今も「黄金の国ジパング」なんでしょうね、きっと。音楽もそうですが、日本は外から取り入れたものをすごく深化させて、オリジナルを超越する部分がある。

 外国人は「お好み焼き」をユニークと感じると説明しましたが、誌面では「お好み焼き」のほかにも「プリクラ」を紹介しています。海外でもセルフ写真が流行っているようだけれど、いやいや、日本のプリクラはすごいことになっていますよ、と。自分で撮った後のレタッチとデコレーションを普通の女の子たちが使いこなしていますから。

 意外なものでは「サンバイザー」も紹介しました。海外ではファッションショー以外で見かけたりしませんが、日本では機能やデザインなどが日常使い向けに磨かれていて、普通に街中で見かけます。また、「アニメーション」では、デジタルを駆使して手書き感を出す技術が生まれています、というのも紹介しています。

コメント1件コメント/レビュー

▼ わたしも観光産業は将来的には経済の主要な牽引役のひとつになると考えています。このような素晴らしい取組み、訪日者に対するきめ細やかなサービスがもっと広がっていくと良いですね。▼ 我々は何十億の人がいる世界の中で生きていることをしばしば忘れがちで、昨今の流れも相まりローカリゼーションに走りがちですが、その結末は昭和期の幾つかの農村が身をもって教えてくれています。▼ 訪日観光客に対しては、居丈高にならず、かといって卑屈にもならず(この辺りが日本人はあまり上手くないなと感じています)、彼らと同じ目線で接していきたいですね。(2016/01/21 09:55)

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「「おとぎの国・東京」を外国人に売り込むには」の著者

梅澤 高明

梅澤 高明(うめざわ・たかあき)

A.T. カーニー 日本法人会長

戦略・マーケティング・組織等のテーマで企業経営を支援。著書に「グローバルエリートの仕事作法」「最強のシナリオプランニング」。テレビ東京WBSコメンテーター。クールジャパン関連委員会の委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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▼ わたしも観光産業は将来的には経済の主要な牽引役のひとつになると考えています。このような素晴らしい取組み、訪日者に対するきめ細やかなサービスがもっと広がっていくと良いですね。▼ 我々は何十億の人がいる世界の中で生きていることをしばしば忘れがちで、昨今の流れも相まりローカリゼーションに走りがちですが、その結末は昭和期の幾つかの農村が身をもって教えてくれています。▼ 訪日観光客に対しては、居丈高にならず、かといって卑屈にもならず(この辺りが日本人はあまり上手くないなと感じています)、彼らと同じ目線で接していきたいですね。(2016/01/21 09:55)

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