• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ラリーに学ぶ「理不尽な人事」の凌ぎ方

WRCワールドチャンピオン、ジュリアン・イングラシア氏【前編】

2015年11月12日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 実力を買って、無名の自分を引き上げてくれた先輩。でも、期待に応えて成果を挙げはじめるや、強力なライバルになると気づいた先輩の態度は一転。組織から追い出そうと牙を剥いてきた――。

 荒れた未舗装路、ぬかるんだ泥道、雪や氷の路面…。コンディションの整ったサーキットではなく、自然の中を走るラリー競技は、「最も過酷なモータースポーツ」と呼ばれる。そのラリーの世界最高峰クラスが、2017年にはトヨタも参戦を表明している「世界ラリー選手権(WRC)」だ。

 本連載では、WRCに出場するコドライバー達にインタビューを行っている。ドライバーに比べると目立たない存在だが、コドライバーは陰からドライバーを支え、「ラリーカーの頭脳」として、ルートの指示だけでなく、時間の計算、ルールの把握など、さまざまな任務を負っている。チームプレイの要として、陰から主役を支える、そうしたコドライバーの人生経験は、ビジネスパースンにとってきっと役立つはずだ。

 今回話を聞いたのは、セバスチャン・オジエのコドライバー、ジュリアン・イングラシア。第1回(前編後編)に続いて、2度目の登場だ。オジエ/イングラシア組は、今年、3度目のワールドチャンピオンを獲得している。このインタビューは、タイトル決定を目前に控えたラリー・オーストラリアで行った(その週末、彼らは優勝してタイトルを決めた)。

ジュリアン・イングラシア(Julien Ingrassia)
 1979年、フランス、エクス=アン=プロヴァンス生まれ。2002年、クリテリウム・デ・セヴェンヌでコドライバーとしてデビュー。2006年からセバスチャン・オジエとコンビを組み、2007年にフランス国内のプジョー206カップを制した。2008年にジュニアWRC(WRCの下位カテゴリー)に参戦し、タイトルを獲得。2009年、シトロエン・ジュニアチームからWRCに参戦。2011年、シトロエン・オフィシャルチームへ昇格。2012年、フォルクスワーゲン・モータースポーツへ移籍し、新型車ポロR WRCの開発を担当。2013年、20014年、2015年、オジエと共に世界チャンピオンを獲得。

 2013年以来、3年連続で世界チャンピオンとなっているセバスチャン・オジエは31歳、ジュリアン・イングラシアは35歳。この年ですでに3度の王者なのだから、彼らは最も成功しているラリー選手と言っていいだろう。

 だが、傍目には華々しく見える彼らのキャリアも、けして平坦な道のりではなかった。キャリアの前途が闇に包まれたこともあった。

才能を見いだした人に疎まれる

 彼らのキャリアで大きな転機が訪れたのは、2011年末のことだ。それまでは、2009年にフランスの自動車メーカー、シトロエンのジュニアチームからWRCにデビューし、翌2010年後半にはシトロエンのオフィシャルチームへ昇格と、順調なステップアップを続けていた。2011年には5勝をあげ、チームメイトであり、当時すでに7年連続の世界チャンピオンだったセバスチャン・ローブと対等に争うまでになっていた。

 ところが、2011年のシーズン後、彼らは突然シトロエンから放出されることになった。チームメイトであるローブとオジエとの対立が深まったことが原因だ。

 そもそも、オジエの才能を見いだしてシトロエンに推薦したのは、ローブ自身だった。だが、ローブの誤算は、オジエが予想以上に早く成長してしまい、自らの立場を脅かすまでになってしまったことだ。絶対的エースであるローブは、オジエがチームメイトとして残ることを認めなかった。企業に例えれば、スカウトしてきた人材の成長が早すぎ、社長が「実権を奪われる」と恐れて追放してしまったようなものか。

 順調だと思われていたキャリアに突然立ちこめた暗雲。騒動のさなかにいた本人は、当時の状況をどのように受け止めていたのだろう?

フランス国内選手権に出場していた頃、偶然ラリーを見に来ていたセバスチャン・ローブの目にとまり、2008年にシトロエンからジュニアWRCへ参戦することになった。2009年にはWRCへステップアップした。

2011年の終わり、あなたとセバスチャンはシトロエンを去らなければなりませんでした。

J:2009年から2011年まで、僕らは順調な道のりを歩いていた。だけど、わずか数週間の間に、僕らを取り巻く環境がまったく変わってしまった。僕ら自身ですら、想像してなかったくらいだよ。僕らはフランス人で、フランスのチームに所属して、すごく快適だった。将来の成功が約束されていたも同然で、いつかこのチームで世界チャンピオンになれると思っていた。シトロエンと僕らの関係は「幸せな結婚」のようなもので、それがずっと続くと思っていたんだ。

コメント1

「縁の下の英雄たち~コドライバーだよ、人生は」のバックナンバー

一覧

「ラリーに学ぶ「理不尽な人事」の凌ぎ方」の著者

岡本 ゆかり

岡本 ゆかり(おかもと・ゆかり)

ライター

筑波大学卒業後、日経BP社に入社。「日経クリック」「日経PC21」の編集部を経てフリーに。趣味はF1とWRC(世界ラリー選手権)の観戦。年に数回、現地に観戦に赴く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック