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灰皿も椅子も投げた。愛情あるなら社員を叱れ

堀場雅夫・堀場製作所最高顧問を悼む

2015年8月5日(水)

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堀場氏は「おもしろおかしく」という独自の社是を掲げた。「おもしろおかしく」というと、楽しい仕事だけをしていればいいのかと誤解する人もいるが、そうではない。向上心をもって困難な仕事に立ち向かってこそ、おもしろさが倍増する。挑戦のない、しらけた組織ではおもしろくない。そう考えた堀場氏は、ここぞというときは社員を厳しく叱りつけた。

 少し前の話ですが、会社に着いたら玄関ホールにダラ~ンとして態度の悪い社員がいたから、「おまえ、シャキッとせんか!」と大声で叱り飛ばしたんです。そしたら、後ろから受付の女の子が僕の服をくいくい引っ張りよる。

「……お、お客様です」

 いやあ、久しぶりに慌てました。あの顔は確かうちの社員やと思ったんですけどね。呆然としているその人に「えらいすんません」と何遍も頭を下げて、そそくさとエレベーターに乗り込みました。

 また別の日、ホールにいたお客様に「おはようございます」と近寄ったら、今度は受付の子が「あれ、うちの社員です」と言いよる。会社が100人くらいのときは社員はもちろん、その奥さんや子供の顔も覚えてた。社員が増えるとろくなことないわ。

1924年生まれ。45年京都大学理学部在学中に堀場無線研究所を創業。国産初のガラス電極式pHメーターの開発に成功し、53年に堀場製作所を設立。「おもしろおかしく」を社是に掲げ、ベンチャービジネスのモデルともいえる企業をつくり上げた。61年には医学博士号を取得。78年会長、2005年最高顧問。2015年7月14日逝去(2013年11月撮影。写真/大亀京助)

叱るのは社長の義務

 それはともかく、社長時代の僕はよく社員を怒ったものです。手当たり次第に物も投げつけました。ガラスの灰皿を投げたら、壁に激突して飛び散ってね。うちの会社の灰皿が軽いアルマイト製になったのはそれからです。

 あるときは開発会議で、社員が長々と「なぜできないか」という説明ばかりするから頭に来て、隣にあったパイプ椅子を投げてやった。次第に僕の近くには、社員ができるだけ物を置かないようになってね。お茶を出しても、僕が飲み終えたらすぐに下げるんです。

 でも、悪いことをした社員を叱るのは、社長や上司の義務ですよ。最近は叱らない人が多いからあかん。

コメント1

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「灰皿も椅子も投げた。愛情あるなら社員を叱れ」の著者

北方 雅人

北方 雅人(ほっぽう・まさと)

日経トップリーダー編集長

1991年一橋大学社会学部卒業後、日経BP社に入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)、日経レストランなど経営誌の編集部を経て、2010年より日経トップリーダー副編集長。17年1月より現職。中小企業経営のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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