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若者に「偽装離婚」を考えさせる社会ではダメだ

森田 朗×出口治明 特別対談(1)

2016年1月21日(木)

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人口構造の変化を、歴史的に見ると?

出口:僕は国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計に、いつも注目しています。その数値をもとに、コラム記事を書いたこともあります。だから今日、森田所長とお話できるのを楽しみにしてきました。

森田:こちらこそ、ありがとうございます。

出口 治明(でぐち・はるあき) ライフネット生命保険会長兼CEO(最高経営責任者)/1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険株式会社に社名を変更、生命保険業免許を取得。2013年6月より現職。

出口:さっそく人口問題の話に入りたいと思うのですが、僕は歴史オタクなので、ついつい人口問題も歴史的な観点から見てしまいます。例えば、中国の最古の戸籍登録人口は、西暦2年の59,594,978人、つまり約6000万人が住んでいた。でも三国志の時代に入ると、2000万人を割り込んで、6000万人まで人口が回復するのは隋の文帝の時代になります。

森田:歴史的に見ると、人口が一様に増えてきた、あるいは減ってきたというわけではないんですね。地域ごとに増えたり減ったりしながら、世界全体として人口が増えてきた。

出口:ペストが流行したときはモンゴルを含め、ユーラシア全体で人口が減りましたからね。人口が減るのは基本的には、病気が流行する、戦いが起こるなど、人類の繁栄が妨げられているときです。先ほど例に出した中国で言うと、人口が減っている間は、統一政権が出現していません。イタリアの人口学者が書いた『人口の世界史』という本では、人口の増加こそが、長期的に見れば繁栄であり、安全であり、豊かさであると書かれている。だから、安易に「これまでの人口が多すぎたのだから、減っても別に問題がない」という意見には、同意しかねます。

森田:長期的に見て人口が減り続けているというのは、日本にとって初めての状況なんです。そこはちゃんと認識しなければ、対応を誤ることになるでしょう。

出口:人口の増え方もやはり歴史的に見ていく必要があると思います。我々の先祖はだいたい4~5人の子どもを生む動物だったようですね。でも、小さい頃にかなり高い確率で死んでしまうので、残るのは1~2人だった。これが人間の動物としての基本で、だからこそ昔の平均寿命はかなり若かった。中世やそれ以前の世界の平均寿命は20歳代で、30歳以上になってくるのは産業革命あたりからです。このあたりから医療や公衆衛生が進歩して、文明も発展してきたので、子どものうちに亡くなることが少なくなってきた。人間の動物としての増え方とは、違う構造になってきたのです。

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「若者に「偽装離婚」を考えさせる社会ではダメだ」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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