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人口減少問題の解決は「定年廃止」から

森田 朗×出口治明 特別対談(4)

2016年1月26日(火)

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「定年廃止」と「被雇用者保険の適用拡大」を

出口:人口減少問題を解決するために、最初にやるべきこと。僕は "定年"の廃止だと思うのです。

森田:大胆な施策ですね。でもそれは、複数のことを一気に解決するでしょう。

出口 治明(でぐち・はるあき) ライフネット生命保険会長兼CEO(最高経営責任者)/1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険株式会社に社名を変更、生命保険業免許を取得。2013年6月より現職。

出口:そうなんです。定年を廃止すれば、まず年功序列がなくなります。同一労働同一賃金になる。すると海外から優秀な人材が入ってこない問題も、これで解決されます。また、高齢化による労働力不足も解消されます。アングロサクソン系の社会では、もうすでに定年が廃止されています。履歴書などで事前に年齢を聞くことが、そもそもダメなんです。世界がやっていることを、わが国ができないはずがないですよ。

森田:定年があるがゆえに辞めてしまった日本のメーカーの熟練したエンジニアが、別の国で雇われて技術が流出したということもありましたね。逆に言うと、日本ではその人材の価値を評価できなかったということ。もったいないですよね。

出口:生産年齢人口の定義は、今は15歳から65歳までですが、これからは20歳から70歳、あるいは25歳から75歳と考えてもいい時代だと思うのです。人の寿命が延びて人口構造も変わったのだから、働き方もそれに合わせて変えていくべきでしょう。また、もう一つ社会を変える鍵があって、それは厚生年金の適用拡大です。要するに、雇われている人は、正規・非正規にかかわらずみんな厚生年金にすればいい。契約社員も短期雇用もアルバイトも、みんな厚生年金および健康保険の適用を受ける。自営業をやっている人だけが、国民年金と国民健康保険。

森田:経団連が反対しそうですねえ(笑)。

出口:でしょうね(笑)。でも総理がやると言い出したら、経団連も従うでしょう。こういう政策をやれば、大企業でも雇用の流動化が起きて、必要な人だけがその会社で働くようになるでしょう。本来は生きていけないのに生き残っているゾンビ企業も消えます。それから2014年の厚生労働省の財政検証でも、月に5.8万円以上の収入がある労働者全員に被用者保険を適用したら、国民年金から厚生年金に約1200万人が移動して、年金制度の安定性が増すという結果が出ています。いいことばかりです。

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「人口減少問題の解決は「定年廃止」から」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長