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偽りの「大学自治」はもう要らない

検証・大学教育改革 with 田中弥生(3)

2015年9月24日(木)

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人口減少時代の大学教育のあるべき姿とは。変革が進まない現状とその理由、そして今、打つべき手とは。独立行政法人大学評価・学位授与機構の田中弥生先生との対談で明らかにしていきたい。その3回目。

前回から読む)

方針に反対する人も、どうすることもできない

森田朗(以下、森田):私は2004年にできた東京大学の公共政策大学院の設置に関わっていたんです。来年から博士課程が設置されるようですが、もともとは修士課程で職業人を育てるためにつくりました。モデルにしたのは、アメリカのロースクールやビジネススクールといった、プロフェッショナルスクール。公共政策大学院は、あちらでいうガバメントスクールですね。東大の中で、こういった学位をつくろうとしたとき、何が起こったか。

いろいろと反発がありそうですね……。

森田:まさに。まず、学内で「論文も書かせずに修士を出すのか」「東大出の研究者としてそんなのは認めない」「人材育成の仕方としておかしい」と猛反発をくらいました。そこで、「これは通常の修士課程とは違って、将来研究者ではなく、高度専門職に就く人材を育成する専門職学位課程なんだ」と説明したところ、「専門学校の延長を東大につくるのか」と言われまして……。現実との認識のギャップが大きいなと思いました。

教授陣がアメリカのプロフェッショナルスクールも含めて、いまの大学を取り巻く状況をあまり知らなかったのでしょうか。

田中弥生(たなか・やよい)
独立行政法人大学評価・学位授与機構 教授。 国際公共政策博士。専門は非営利組織論、評価論。クレアモント大学でピーター・ドラッカー氏に非営利組織論を学ぶ。財政破綻、超少子高齢化の中で「民間が担う公」の意義を問い続ける。行政改革推進会議民間議員、財務省財政制度等審議会 委員など要職を務める。(写真=尾関裕士、以下同)

田中弥生(以下、田中):それもあるかもしれません。特に、理系の場合は、厳しい競争環境の中でご自分の研究室をどう運営するのかについて追われているのかもしれません。

森田:学問の自治、学部の自治が最大限に尊重されるべきだ、という発想があるんですよね。私は国立大学の法人化にも関わりましたが、そのときに「大学の自治って一体なんだろう」と考えさせられました。多くの人は、研究者が自分の好きな研究をして、自分の行動を自分で管理するということを研究者の自治として捉えていた。そして、もうひとつは学部、部局の自治だと考えている人が多いと感じました。法人としての大学自治というのは、あまり意識されていないんです。

田中:そうなると、大学全体の自治と学部や研究室の自治との間でどう折り合いをつけるのかが問題になりますね。

森田:そうなんですよ。例えば、法人の理事会で決まったことについて堂々と反対している人を、理事会の権限ではどうにもできないんです。それは、学部の人事権に委ねられてしまっている。そういう組織では経営は成り立たない。それは経営学の初歩を知っている人なら、すぐわかります。

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「偽りの「大学自治」はもう要らない」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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