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大学と人材を腐らす「19世紀式」を脱せよ

検証・大学教育改革 with 田中弥生(4)

2015年9月29日(火)

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人口減少時代の大学教育のあるべき姿とは。変革が進まない現状とその理由、そして今、打つべき手とは。独立行政法人大学評価・学位授与機構の田中弥生先生との対談で明らかにしていきたい。その4回目。

前回から読む)

森田朗(以下、森田):私はずっと前から、日本の大学にはマーケティングの発想が足りないと感じているんです。受け手が自分たちをどう評価するのかという認識が乏しい。その典型的な例が、ポスドク問題です。

博士を採用しない企業がおかしい?

ポスドクとは、ポストドクターの略で、博士号を取得した研究員のことですよね。

森田:はい。大学側が、大学院重点化によって大学院を増やし、学生をたくさん採った結果、就職先のないポスドクがあふれることになった。

田中弥生(以下、田中):ポスドクの数は、データを見ても昔に比べて明らかに増えていますし、高齢化の兆候もみえています。

ポストドクター数の推移
出典:1996~2003年度は「ポストドクター等一万人支援計画」における支援対象人数。2004~2012年度は文部科学省「大学・公的機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査」(2009年度より調査様式を変更し、複数の雇用財源による同一人物の重複計上を排除している)

森田:博士課程まで進む人は、基本的に大学の教員になるキャリアパスを思い描いている。でもいまは18歳人口が減ってきて、大学の数も、大学教員のポストも減少傾向にあるんです。そういう時代に、将来の教授候補を大量生産してしまった。

田中弥生(たなか・やよい)
独立行政法人大学評価・学位授与機構 教授。 国際公共政策博士。専門は非営利組織論、評価論。クレアモント大学でピーター・ドラッカー氏に非営利組織論を学ぶ。財政破綻、超少子高齢化の中で「民間が担う公」の意義を問い続ける。行政改革推進会議民間議員、財務省財政制度等審議会 委員など要職を務める。(写真=尾関裕士、以下同)

田中:どうしてそうなったのでしょうか。

森田:もともと大学側は大学院を増やすときに、「博士課程まで出た優秀な学生を、企業はこぞって採用するだろう」と思い込んでいたんですよ。現実問題として、博士課程まで出ていると「頭が固くてプライドが高そう」と、採用を見送られることすらあるのに。もちろんそれは企業側の無理解にもよるのですが、大学をメーカーに例えて言うと、「うちの会社はいい製品をつくっているんだから、売れないわけがない」と考えていた。消費者が何を求めているか、というところに頭がいかなかったんです。

田中:すごくもったいないことですよね。博士課程までいった優秀な人の就職先がないなんて。

森田:本当にそうです。

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「大学と人材を腐らす「19世紀式」を脱せよ」の著者

森田 朗

森田 朗(もりた・あきら)

国立社会保障・人口問題研究所所長

行政学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、同大学院院長、総長特任補佐、東京大学政策ビジョン研究センター長、学習院大学法学部教授などを歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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