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[330]退屈は人生の大罪である

2016年2月18日(木)

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大きな挑戦を前に不安を覚えます

Q 僕は3年間カナダに高校留学し、今大学受験のため必死に神様にえこひいきをお願いしているところです。日本から飛び出していろいろな人と出会い、経験を積むうちに島地教にあるように人生は悪い冗談の連続、塞翁が馬だということ感じました。それでもっと強力な渦に巻き込まれてみたいとアメリカの大学進学を志す一方でその重荷に怖気づいている自分がいます。愚問ですが、自分の未知の領域に対する恐怖や自分の能力を超える挑戦をどうやって乗り越えたらいいのでしょう?この人生前途多難な見習い教徒にどうかご教授ください。

(18歳・男性)

ミツハシ:前回は15歳の中学生、今回は18歳の高校生からの相談です。シマジさんのファンはずいぶんと若い人にまで広がりましたね。

シマジ:「神様にえこひいきをお願いしている」とか「人生は悪い冗談の連続」とか「人生前途多難な見習い教徒」とか、俺の言葉に影響を受けたことがありありと分かるレトリックが可愛いじゃないか。

ミツハシ:では、ご教授してやってください。

生々しく具体的で自分勝手に妄想せよ

シマジ:何も怖気づくことなどない。すごい知性の持ち主である教授と巡り合えるチャンスにワクワクし、フルボディーの金髪娘やウエルラウンドヒップの黒人娘とお近づきになれるチャンスにドキドキしながら、アメリカでの可能性に満ちた日々をひたすら楽観的に妄想すればいい。「想像する」では詰まらない。妄想するんだ。金髪や黒人とああしてこうしてと生々しく具体的で自分勝手に妄想してみなさい。

 ほら、どうだ。愉しくなってきただろう。当然、未知の世界に挑戦するのだから不安は抱く。だが、そこに挑戦しようと考えたのは、日本の大学よりもアメリカの大学の方に、刺激に満ち、自分を成長させてくれる日々が待っていると思ったからだろう。ならばいまは愉しいことを考えていればいい。いや妄想すればいい。

 当然、アメリカに渡れば、そこでの生活には苦労もあるだろう。高校3年間をカナダで過ごしたとしても、アメリカの大学での勉強についていくのは大変かもしれないし、神経を張り詰めて毎日を過ごさなければならないだろう。だが、実社会に出れば、キミが言う「未知の領域」や「自分の能力を超える挑戦」にいやおうなく直面させられる。それを愉しむことが人生だ。

ミツハシ:「退屈と無知は人生の大罪である」。シマジさんの言葉です。

シマジ:そう。キミはいま退屈とは全く無縁だ。素晴らしいことじゃないか。

 いいか。誰だって知らないものには身構える。だが、知っていることだけで乗り切れる人生なんてクソ面白くもないぞ。誰だって失敗は怖い。だが、失敗しない人生なんてあり得ないし、もし、それが約束されていたとしたら、これまた退屈極まりないはずだ。明るく、前向きで、毎日元気に生きていれば、必ず希望の光がキミを照らしてくれる。失敗しても、苦しくても、明るい笑顔を絶やすな。そうすれば、必ず運が向いてくる。

ミツハシ:「大きい声を出して、いつも元気にニコニコしていれば、たいていのことはうまくいく」。経営不振だったアサヒビールを建て直した樋口廣太郎さんの言葉です。

コメント4件コメント/レビュー

学費の高い米国ではなくドイツの大学を勧める意見もありますが、英語での授業をオファーする大学が増えつつあるものの、質の高い教育を受けるためにはやはり高度なドイツ語スキルが必要です。新たな語学習得には時間と労力を要しますが、その気があれば、相談者の年代であればぜひ挑戦して欲しい。

英語圏に残るにしても、英語だけでなくもう一ヶ国語習得してはどうでしょう。海外で暮らしていると「英語は喋れて当たり前」ですが、あと一ヶ国語できればキャリアや生活の可能性が更に広がります。第二外国語習得のため、そして北米以外の国での経験を通し、真の意味でのグローバルな視点を養うためにも、米国の大学の設けた欧州やアジアなどへの海外留学プログラムを利用したり、長い夏休みのインターンシップ期間をアメリカ国外で過ごす事は強くお勧めします。

20年近く前渡米して大学・院と都合7年間をかの地で過ごし、縁あって海外在住年数が日本在住年数を超えつつある者です。自分がかつてそうだったように、寝る間も惜しんで勉学に遊びに勤しむ相談者に、大文豪開高健の言葉「勇敢たれ。楽天的たれ。そして、ムキになるな」を贈ります。(2016/02/22 20:46)

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「[330]退屈は人生の大罪である」の著者

島地 勝彦

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)

コラムニスト

「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に。各誌編集長を歴任後、2008年11月集英社インターナショナル社長を退き、現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

学費の高い米国ではなくドイツの大学を勧める意見もありますが、英語での授業をオファーする大学が増えつつあるものの、質の高い教育を受けるためにはやはり高度なドイツ語スキルが必要です。新たな語学習得には時間と労力を要しますが、その気があれば、相談者の年代であればぜひ挑戦して欲しい。

英語圏に残るにしても、英語だけでなくもう一ヶ国語習得してはどうでしょう。海外で暮らしていると「英語は喋れて当たり前」ですが、あと一ヶ国語できればキャリアや生活の可能性が更に広がります。第二外国語習得のため、そして北米以外の国での経験を通し、真の意味でのグローバルな視点を養うためにも、米国の大学の設けた欧州やアジアなどへの海外留学プログラムを利用したり、長い夏休みのインターンシップ期間をアメリカ国外で過ごす事は強くお勧めします。

20年近く前渡米して大学・院と都合7年間をかの地で過ごし、縁あって海外在住年数が日本在住年数を超えつつある者です。自分がかつてそうだったように、寝る間も惜しんで勉学に遊びに勤しむ相談者に、大文豪開高健の言葉「勇敢たれ。楽天的たれ。そして、ムキになるな」を贈ります。(2016/02/22 20:46)

いつも楽しみに読んでいます。
「大きい声を出して、いつも元気にニコニコ」
たしかにそうですね。私も心がけたいと思います。(2016/02/19 18:30)

何時も、説得力有り、元気の出る文章を有難うございます。

今回も、心に染み入りました。

先般、所内での失敗有り、かなり凹んでました。
周囲も必ずしも信頼出来なくなりました。
以前の積極性、気合いもなかなか入らぬ現状でした。

直ぐには、飛び出せませんが、退屈を避け、
より挑戦的に、チャレンジングな選択肢に戻したいと
思います。

中年層にとっても、珠玉のご指摘と思います。(2016/02/18 13:29)

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三品 和広 神戸大学教授