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[331]セックスレスでも夫婦の愛情は確め合える

2016年2月25日(木)

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妻との夫婦生活がなくなりました

Q ひとつ下の妻がいます。青空が好きな明るい、いつもきれいにしているよく出来た世話女房です。相談は、妻との関係についてです。

 妻は元来性的には淡泊でしたが、最近夫婦生活が全くなくなりました。話し合いもしたが結果変わらず。仕事は脂が乗って、愛人や男女の友人もおり、自分はまだこれからだと思っています。妻へは感謝と尊敬の念は勿論、愛情を感じていますが、妻は私に対して人類愛以上ではないようです。当面私も人類愛レベルで妻に接することで日々の生活に滞りはなく、それもまた愛情の形かと思うところもあれ、当方が卑怯でつまらぬ気もします。海の向こうから師とお慕い申し上げる島地さんのご意見を頂戴できましたら幸甚です。

(44歳・男性)

ミツハシ:44歳、妻とのセックスがなくなった男性からの相談です。しかし、何でしょうね、これ。妻がセックスを拒否し、欲求不満を抱える夫という構図なら分かりますが、相談者には愛人がいて、とりあえずそこで欲求は満たされているようです。「妻へは感謝と尊敬の念は勿論、愛情を感じていますが、妻は私に対して人類愛以上ではないようです」と書いていますから、妻からもセックスを求められたいということでしょうか。

シマジ:俺もよく分からないな。毎度言っているが、結婚して10年、20年も経って毎晩激しく求め合う夫婦は変態だ。もちろん、それは悪いことではない。俺の親友で、SM作家の舘淳一によると、1万組に1組くらい、女房でなければ、亭主でなければ、セックスできないという夫婦がいるらしい。

 鍵と錠前のような関係だな。ピタッと隙間なく凸と凹が合致し、快感の扉がバチンと開く。そういう奇跡のカップルというのがごくたまにいる。だが、たいていの夫婦は、残念ながらそういう唯一無二の肉体的相性を持っていない。そして、ひとつ屋根の下に長く一緒に暮らしていると、男と女は徐々にオスとメスではなくなっていく。戦友というか同士というか、肉体よりも精神的な絆でつながった人生の伴走者になっていく。相談者が言うところの「人類愛」で結ばれた男女だ。

 相談者は何歳だ?

ミツハシ:44歳です。

シマジ:ならば、セックスレスだとしても別に珍しくはないだろう。妻が応じてくれず、性的な欲求が爆発しそうで困っているというなら、同情もするが、愛人がいるならそれでいいじゃないか。「当方が卑怯でつまらぬ気がする」と書いているが、これも奥方が応じてくれないのだから仕方ない。いいセックスをすることは基本的人権だから、卑怯などと考える必要もないだろう。

ミツハシ:この「卑怯」の意味が難しいですね。夫婦である以上、セックスレスの問題を2人できちんと話し合い続け、妻が受け入れられるスキンシップやセックスの方法を模索すべきである。それをせずに、「人類愛レベル」で夫婦を続けている俺は、現実から目を背け、面倒な問題を回避する「卑怯でつまらない」人間であるという意味かもしれません。

シマジ:だとしたら、真面目すぎる相談者だな。相談者だって一度は話し合いをしたわけだろ。それでも奥方がセックスを望まないのだから、それ以上悩んでも仕方ない。100組の夫婦があれば100通りの愛情の示し方がある。相談者の場合は、セックス以外で奥方への愛情をしっかり示してやればいい。

 相談者の奥方は性的に淡白らしいが、実は、俺の女房もそうなんだ。30歳になってしばらくした頃「私、ああゆうこと本当は好きじゃないの」というから俺も「うん、俺もご先祖様の仏壇がある部屋でああゆうことはすべきじゃないと思っていたんだ」と同意して、それから見事にセックスレスだ。アメリカなんかでは夫婦間でセックスがないことがまるで犯罪のごとく言われるが、フィジカルコンタクトでしか愛情を確認できないような連中の言葉に惑わされる必要はない。穏やかな、しかし、強固な同士愛や絆で結ばれていればセックスなんてなくても立派に夫婦として死ぬまで添い遂げられる。

コメント4件コメント/レビュー

野暮を承知で言うなら、愛人と愉しくやってる夫にしゃあしゃあと求められても応じたくないのは当たり前の反応だと思うが。(2016/03/06 02:11)

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「[331]セックスレスでも夫婦の愛情は確め合える」の著者

島地 勝彦

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)

コラムニスト

「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に。各誌編集長を歴任後、2008年11月集英社インターナショナル社長を退き、現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

野暮を承知で言うなら、愛人と愉しくやってる夫にしゃあしゃあと求められても応じたくないのは当たり前の反応だと思うが。(2016/03/06 02:11)

まさに、「100組の夫婦がいれば、100色の夫婦の色がある」ですね。
有名人の不倫をまるで江戸時代の市中引き廻しのように晒し上げ、断罪する風潮は、「100組の夫婦がいても、正しい色は一色だけ」と思い込み、自分がそれに当てはまらない苦しさに目をつぶって明らかに色の違う夫婦に八つ当たりしているようにも見えます。
相談者様は、日本人男性には珍しいオトナの男とお見受けします。「海外在住夫婦がベタベタしている」のは、異郷で暮らしているからこそ日本在住の日本人夫婦よりもより支え合って暮らしているのがそう見えるのでしょう。
意地悪な見方をすれば、小さな日本人コミュニティの中で、お行儀よくせざるを得ないのでしょうが、順風満帆な人生を守るためにも愛人の事はくれぐれもばれない様、お気をつけあそばせ。(2016/03/02 20:28)

相談者です。曖昧な質問にかかわらずご回答頂いて、シマジ師匠、ミツハシ師範代、有難うございました。海外勤務が長くベタベタしている夫婦が多いなかで過ごしたため、自分(たち)の姿に迷いがあったかもしれません。人生の旅路においては、嵐のような激しいときもあれば、穏やかな蒼い海を並んで眺めるときもありましょう。移ろい変化する妻との時間を深く味わっていきたいと思います。いまの彼女の、そして小さな希望と勇気をもって私との結婚に踏み込んだ若い彼女のおもいに応えていくべく精進して参ります。(2016/02/29 20:44)

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