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[311]「どっちが大切なの」と思い切って聞いてみなさい

2015年9月17日(木)

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大学教授と暮らし始めました

Q第287回の者です。アドバイスを頂いたにもかかわらず、離れる意志を持てず、彼と暮らし始めました。4カ月になります。「二人だけの世界でいい」という言葉を受けて始めた生活から、「彼女(元妻)は僕の家族。嫌いになった訳ではなく、距離感が必要なだけ。」と週に1、2回、訪ねに行きます。「私への愛とは異なる」と言いますが、理解できず、分からないと伝えると、「僕のすべて受け入れると言ったでしょ」と。被害者意識を持っていることが情けなく、進学とともに離れようと思い始めました。ただ、彼が「家族」を訪ねる以外は本当に幸せなのです。厚かましいお願いであることを承知ですが、後押しをしていただけないでしょうか。

(23歳・女性)

シマジ:やっちまったか。

ミツハシ:やっちまいましたね。

シマジ:俺があれだけ「逃げろ」といったのに、相談者には通じなかったようだな。

ミツハシ:「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ねばいい」なんてことを言いますが、これって本当は、惚れた腫れたの最中の男女なんてのは頭の中がお花畑になってしまっているから何を言っても無駄という戒めかもしれませんね。どうせ聞く耳なんか持ってはいないのだから、親切心から何かを言っても逆に恨まれるだけ。利口者は人の恋路に口を出したりしないということなのかもしれません。

シマジ:そうかもしれないな。だが、俺も若いときに荒れ狂う愛の嵐に翻弄され、家庭も仕事も捨ててしまおうとしたことがある。親友がどれだけ粘り強く説得してくれても気持ちは変わらず、鍾愛するシバレン(柴田錬三郎)先生や横尾忠則さんにも忠告されて気持ちは揺らいだが、やはり何もかも捨てる決意は変わらず、とうとう今東光大僧正までお出ましになった。そこで慈愛に溢れる一言に触れてようやく目が覚めた経験がある(第179回参照)。

 相談者は「後押しをしていただけないでしょうか」と言っている。自分でも大学教授との愛にピリオドを打つべきだと分かっているのだが、踏ん切りがつかない。人生相談の看板を掲げ、相談者から後押ししてくれとまで言われているんだから、踏ん切りをつける一言を発してやらなければシマジの名が廃る。

ミツハシ:確かにその通りですね。しかし、難しいですね。今東光大僧正のような一言が発せられるかどうか……。

シマジ:人生は川の流れに喩えられることあるが、その川には美しい清流もあれば、汚物なんかが一緒に流れるにごり川もある。そして、澄んだ川よりもにごり川を選んでしまう人間というのもいる。芸術家なんて呼ばれる人間はかなり多くがこのにごり川の方だな。

 23歳の社会も男もまだそれほど知らない女性がにごり川に飛び込んだというのは気の毒だと思うが、考えようによってはすごい経験をしているとも言える。

ミツハシ:でも、本人はにごり川とは思っていないでしょうね。相談文に「彼が『家族』を訪ねる以外は本当に幸せなのです」とありますが、この「本当に幸せ」という言葉はパワフルです。前回、我々は頭ごなしに「別れろ」と言いましたが、結局、相談者は52歳の大学教授との生活を選んだ。大学教授と別れて送る22歳(前回相談当時)の学生らしい人生と、教授がいない人生を秤にかけたら、後者は相談者にとって耐えがたかったわけでしょう。

 恐らく我々だけでなく、相談者の友達も親兄弟も口を揃えて「別れろ」と言ったと思います。彼女自身、前回の相談文で「一緒になることに罪悪感と恐怖を覚えます。どうすれば離れられるでしょうか」とまで書いて、別れた方がいいことは頭では分かっていた。でも別れられなかった。それくらい相談者にとって教授は大きい存在だったわけですよね。そんな彼女に向かって「今度こそ別れろ」と言っても無意味な気がします。

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「[311]「どっちが大切なの」と思い切って聞いてみなさい」の著者

島地 勝彦

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)

コラムニスト

「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に。各誌編集長を歴任後、2008年11月集英社インターナショナル社長を退き、現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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