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中間管理職は本当に必要か?

モーニングスターとザッポスの例

2015年7月13日(月)

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 ここ数年の経営学の世界で最も有名なグルの1人、ゲイリー・ハメルは以前「ハーバード・ビシネス・レビュー」誌に“まずすべてのマネージャーを解雇せよ”という記事を掲載した。同氏の理論によれば、組織には管理のためのヒエラルキーが惰性的に存在し続けており、ある一定数の労働者の集団(業種やビシネスのスタイルによって数は変わるが)には、必ずそれを管理するマネジャーが必要だ、と盲目的に考えている。

 しかし現実的には、この層を維持するのは高くつく。高額の給与、そして必要経費もこれに付随してくる。またこれをサポートする人材や設備も必要、などだ。ハメルはこれへの反証として米モーニング・スターの例を挙げている。同社は米国の食品会社で、ヒエラルキーも管理職も存在しない。労働者はグループになって自主管理し、グループ単位でMOUs (memorandum of understanding)を作成したり変更したりする。

MOUsがもたらした「組織の民主化」

 MOUsとは業務内容に関する合意といったようなもので、グループ単位、そしてそれを構成する個別労働者が自ら定めた目標を達成するためのものである。モーニング・スター社のほか、防水透湿性素材のレインウエアやウインドブレーカーで有名なGoreTex社も同じ道を選択している。

 これらの企業に起こっているのは“組織の民主化”と呼ばれる現象の、1つの顕著な例である。もちろん政治で言われるところの民主化とは意味が違う。労働者が社内のリーダーたちが述べる公約を聞いて、数年に1回ずつ投票する権利を持ったにしても、これには全く意味がないからだ。ここで述べる組織の民主化とは、企業が下す数々の決断において労働者各人が積極的に参加するシステムのことだ。

 これよって企業において決定権を持つ人の数が増え、従業員の自由裁量が増大する。しかしこれはマネージャーを解雇するというわけではなく、その決定権を縮小し、企業においてヒエラルキーに重きを置かない、という考え方だ。この例のパイオニア的存在は米ヒューレット・パッカードだ。同社の戦略上、重要な課題であった組織改革を断行して業績を上げている。

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「中間管理職は本当に必要か?」の著者

Cサイモン

Cサイモン(くりすてぃーな・さいもん)

IEビジネススクール教授

スペインのマドリード自治大学で心理学の学位を取得、英オープンユニバーシティで技術のPh.D.を取得。2000年からIEビジネススクールの人材管理教授。2008年からIE大学の心理学部長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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