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東芝は巨額減損の可能性をいつ認識したのか?

  • 小宮 一慶

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2017年2月17日(金)

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(写真=ロイター/アフロ)

 東芝は2月14日、同日に発表する予定だった16年4~12月期決算を、最大で1カ月延期すると明らかにしました。米原発子会社ウエスチングハウスによる米原子力サービス会社の買収をめぐり、新たな不適切行為の疑いが生じたからです。

 同社がこの日に発表した同期の「見通し」は、4999億円の最終赤字。問題の米原子力発電事業に関連する「のれんの減損損失」は7125億円に上るとのこと。同期末の株主資本はマイナス1912億円となりました。ちなみに、資本(東芝は「米国基準」で開示、日本基準では「純資産」)は「非支配持分」があるため681億円のプラスです。

 同日に発表した17年3月期の見通しによると、このままでは株主資本がマイナス1500億円となり、危機的状況が続く見込みです。すでに半導体事業の株式を売却する予定ですが、一層の資本増強が必要となっています。

 当初は同事業の株式の20%程度を売却するようでした。しかし、これでは3000億円程度の売却益しか得られず、それ以上の売却も視野に入れています。

 東芝の綱川智社長はこの点に関して「株式のマジョリティー(過半数)確保にはこだわらない。様々なオファーをいただいているので、柔軟に考えていきたい」との意向を示しました。

 売却に関して、売却価格を高めるために来期に行うとも伝えられていますが、それでは株主資本のマイナス状態を2017年3月末に脱却できない可能性があります。銀行団は短期的な融資の延長には応じる予定ですが、長期的なことは、収益や資産売却など今後の東芝の状況を見て決めるというスタンスです。窮地に陥った東芝は、果たして再起を図れるのでしょうか。

危機はキャッシュの残高に表れる

 まず、財務諸表からこれまでの経緯を振り返ってみましょう。はじめに、危機に陥った16年 3月期決算に注目します。その後で、その後の状況も分析していきます。

 東芝の状況を端的に表しているのは、貸借対照表にある現預金と借入金の額です。現預金は危機に陥った16年3月期に急増しました。16年3月末の「現金及び現金同等物」は9697億円。15年3月末は1901億円だったので8000億円近くも一気に増やしたことになります。一方、負債の部にある「短期借入金」も16年3月期に急増し、16年3月末で6196億円を計上しました。その前の期である15年3月末は2679億円でしたから倍増しています。

 東芝の危機は、15年4月に不適切な会計処理が発覚したことから始まりました。同社は当初「過去3年間で500億円の利益がかさ上げされていた」と発表していましたが、あれよあれよという間に損失が膨らんだのです。

 問題は、不正会計だけではありません。16年3月期は本業の業績も悪化しました。売上高は15年3月期より7.3%減の5兆6686億円、営業損益は1884億円の黒字から、7087億円の赤字に落ち込んだのです。原子力事業の減損も響きました。事業の売却なども進めましたが、結局、4600億円の最終赤字を計上しました。

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