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「数字」で見る日本の労働力の現状

「人手不足」解消のカギは自由競争の促進

  • 小宮 一慶

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2018年5月17日(木)

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 人手不足の問題がクローズアップされています。実際のところ、国内の労働者の総数はどれほどなのでしょうか。今回は、具体的な数字やその推移を見ながら、日本の将来を考えてみましょう。

 総務省によると、15~64歳までの「生産年齢人口」は、2015年は7592万人だったのに対し、2030年は6773万人、2050年には5001万人まで減少するとの推計値が出ています。この数字には、この年齢に属するけれども働いていない人の数字も含まれます。一方、実際に働いている「就業者数」は、高齢者の働き手が増えたことなどから、今のところ増加傾向が続いていますが、今後はそれも減少に転ずる見通しです。

 このままでは人手不足が経済成長の大きな制約となりかねません。対策待ったなしの日本は、これからどのような手を打つべきなのでしょうか。就業者数、労働力人口のデータを深掘りしながら探ります。

医療・福祉の分野でも外国人が欠かせなくなっている(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

医療・福祉の就業者数が増え、建設、製造は減少

 まず現状の国内の就業者数から見ていきましょう。2002年3月の就業者数の総数は6297万人、2018年3月は6620万人ですから、この16年間で約323万人増加したことになります。2007年までの戦後最長の景気拡大と、その後、リーマンショックを乗り越えた戦後2番目の長さの景気拡大が大きな原因です。

 ではどんな業種が就業者を増やしているのでしょうか。とても興味深い内容です。

業種別 就業者数(万人)
2002年3月 2018年3月
総数 6297 6620 323
農業,林業 242 204 -38
非農林業 6055 6416 361
建設業 628 501 -127
製造業 1238 1081 -157
情報通信業 156 225 69
運輸業,郵便業 323 337 14
卸売業,小売業 1081 1053 -28
金融業,保険業 161 167 6
不動産業,物品賃貸業 99 133 34
学術研究,専門・技術サービス業 207 235 28
宿泊業,飲食サービス業 397 417 20
生活関連サービス業,娯楽業 246 232 -14
教育,学習支援業 266 312 46
医療,福祉 467 799 332
複合サービス事業 76 58 -18
サービス業(他に分類されないもの) 375 455 80
公務(他に分類されるものを除く) 218 233 15
出所:総務省統計局

 最も増えているのが「医療、福祉」で、332万人の増加です。先ほどもみたように就業者の総数はこの16年間で323万人増えていますが、「医療、福祉」はそれ以上に増えているということです。社会の高齢化に対応した介護ニーズなどが大きく拡大してきたことがうかがえます。一方で、建設業は127万人減、製造業は157万人減となっています。

 建設業も製造業も人手不足と言われていますが、16年間の就業者数の推移を見ると、大幅に縮小していることが分かります。

 建設業が減っているのは、働く人の高齢化が考えられます。また、他業種でも求人が多いため、仕事のきつい建設業からの転職も考えられます。製造業に関しては、ロボット化などの生産性の向上が進んでいることに加え、零細業者の高齢化により後継者がいないなどの問題があります。全体的には、日本が得意とするモノ作りからサービス業への就業人口のシフトが顕著というところです。

コメント15件コメント/レビュー

現政権など明らかにそのように見えるが、人口が激減することへの短期的な手立ては不可能にも関わらず、「夢よもう一度」と言わんばかりに経済規模の維持~拡大を目指すのは無理がある。GDPは人口見合いで縮小すれば良くて、むしろ中身(より比率の下がった就労人口でも稼げる高生産性化の追及≒世界に討って出られる光る産業の育成等)の充実をどう進めるのか、それにより人口オーナス期を耐えて乗り越え、新たな成長期に繋げるような、長期的な視点が欲しい。(2018/05/18 11:26)

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いただいたコメント

現政権など明らかにそのように見えるが、人口が激減することへの短期的な手立ては不可能にも関わらず、「夢よもう一度」と言わんばかりに経済規模の維持~拡大を目指すのは無理がある。GDPは人口見合いで縮小すれば良くて、むしろ中身(より比率の下がった就労人口でも稼げる高生産性化の追及≒世界に討って出られる光る産業の育成等)の充実をどう進めるのか、それにより人口オーナス期を耐えて乗り越え、新たな成長期に繋げるような、長期的な視点が欲しい。(2018/05/18 11:26)

歴史を見ていくと、軍隊の維持費が大きくなり過ぎて生産とのバランスが取れなくなり崩壊した国家というのが散見されますが、戦後の日本は、この軍隊の代わりに社会保障が大きくなり過ぎて崩壊した国家と後世の研修者から評されるのだろうなと思っています。
道州制は、数十年前ならともかく、今では推進するエネルギーが各共同体に残っていないと考えます。
その事は、地方で再生を果たした代表例のニセコが、外国資本・外国経営者・外国労働者・外国人顧客で構成された経済共同体なことからも示唆されます。(2018/05/18 09:14)

磯山さんのコラムにも書き込みましたが、つい6年前の平成22年3月までは帰国支援金を払って日系人に帰って貰っていた現実を、経営者の方々はすっかり忘れた振りをするんですよね。今でも国の財源が厳しいのに、これ以上同じ過ちを繰り返して後世代の負担を重くしてどうするんですか。
景気サイクルも、もうそろそろ不況期に突入してもおかしくありませんし、その時に高齢者は雇用の調整弁になって貰うとして、日本語を覚える気のない外国人はスポーツ選手とその延長上の指導者だけで十分でしょう。(2018/05/17 18:12)

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