• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本の航空運賃が高いのは適正な競争がないから

JALとANAの決算を分析する

  • 小宮 一慶

バックナンバー

2017年8月10日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 私は、国内線・国際線を合わせて年間70回程度、飛行機を利用していますが、常々「日本の航空会社の運賃は高い」と感じています。2大航空会社である日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の運賃は、高額だと感じます。後に詳しく説明しますが、「高収益」なのもそのためだと分析しています。

 なぜ、こんな状況になっているのか。それはひとえに、「適正な競争」が起こっていないからでしょう。格安航空会社(LCC)が参入してきたとはいえ、国内の航空業界は、LCCも2社の傘下にある状況で、ほとんど寡占状態です。競合相手が限られる中では、健全な自由競争は期待できません。

 今回は、JALとANAの決算内容を分析しながら、この問題の本質に迫ります。

(写真:ロイター/アフロ)

経営破綻によって「身軽」になり、収益力を上げたJAL

 はじめに、JALの2017年3月期決算から見ていきましょう。売上高は、前の期より3.6%減の1兆2889億円。営業利益は18.6%減の1703億円。最終損益は、5.9%減の1641億円となっています。

 減収減益ではありますが、自己資本当期純利益率(ROE)は18.1%という驚異的な数字となっています。ROEとは、「株主が会社に預けているお金を使って、どれだけリターン(利益)を稼いでいるか」を示す指標。経済産業省主導で作成された、いわゆる「伊藤リポート」が示す「ROEの目標は8%」という数字から考えても、同社はかなり高い水準と言えます。さらには、会社の中長期的な安全性を示す自己資本比率も、56.2%と非常に高い数値です。

 ちなみに、7月31日発表の2017年4-6月期決算は、売上高は前年同期より5.9%増の3148億円。営業利益は12.0%増の247億円。最終利益は32.9%増の195億円。国際線のビジネス利用が伸びたこと、国内線も機内インターネット接続無料化などによって旅客数が増えたことで、好調な結果となりました。

 JALの業績を見る上で注意しなければならないのは、2010年1月に会社更生法の適用を申請し、破綻した時にとられた優遇措置の影響です。その直前に発表された、2009年4-9月期の決算内容を振り返ってみましょう。

 売上高は前の期より28.8%減の7639億円。営業損益は、前の期の302億円の黒字から、この半期は957億円の赤字に転落。最終損益は、366億円の黒字から1312億円の赤字になりました。自己資本比率も8.2%まで悪化しました。いうまでもなく「危険水域」です。

コメント15

「小宮一慶が読み解く経済の数字・企業の数字」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官