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仮想通貨は「通貨」と言えるのか

  • 小宮 一慶

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2017年10月12日(木)

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 このところ、仮想通貨のニュースが大きな話題を呼んでいます。仮想通貨の代表格である「ビットコイン」の相場(日本円ベース)は、この1年間で約7倍まで上昇しました。

 今年4月に「改正資金決済法」が施行されてから日本国内でも関心が高まり、取引の数も増え続けています。ただし、そもそも仮想通貨とはどのようなものなのか? その価値とは何なのか? はっきりしないことも多いのではないでしょうか。

 今回は、仮想通貨の問題点と先行きについて私なりの考え方をお伝えしたいと思います。

(写真:ロイター/アフロ)

仮想通貨には、国家による信用の裏付けがない

 「仮想通貨」と、円やドルといった「法定通貨」とは、何が違うのでしょうか。

 最大の違いは、中央銀行が発行する法定通貨には国家による信用や国力というような裏付けがありますが、仮想通貨にはありません。例えば、資源価格が上がりますと、資源国であるブラジルやオーストラリアなどの通貨が上昇しますが、それは通貨に「国力」という裏付けがあるからです。

 国力とは、その国の軍事力、経済力、技術力、資源、人口などを総合したものです。その国力によって、為替レートが変動します。

 1980年代、私が東京銀行で為替の取引をやっていた頃には、「有事のドル買い」という言葉がありました。戦争や紛争などといった国際間の危機が起こった時や起こるリスクが高まった時に、安全資産とされていた米ドルが買われる現象です。

 ところが、今は「有事の円買い」と言われています。これはおそらく、日本の機関投資家などが巨額の対外金融資産を持つことから、何か危機が起きた場合、生保などが自国通貨に資産を移すことで円買いが進むと市場で考えられているためではないかと思います。

 一方で、国の裏付けがない仮想通貨の相場がなぜ上がったり下がったりするのかというと、理由は「需給」だけなのです。各仮想通貨には発行の限度額がありますが、あくまでもその時点での需給で価値が決まるのです。

 今年1月までは、世界のビットコイン取引量の約9割を中国の取引所が占めていたと言われていました。理由はいくつかあり、一つは中国国内で外国送金などの規制が厳しくなってきていること。二つ目は、一部の中国人が政府を信用しておらず、資産をキャピタルフライトさせるために仮想通貨は便利だということです。こうして仮想通貨の需要が増していき、相場がどんどん上がっていきました。

 しかし、ついに9月に中国当局が仮想通貨の規制に乗り出しました。この影響で、中国国内の仮想通貨取引所は次々とサービスを停止、あるいは閉鎖を発表しています。

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