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景気好調なのに日銀が出口戦略を発表しないわけ

  • 小宮 一慶

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2017年11月27日(月)

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 日本国内の景気拡大が続いています。2012年12月から始まったとされる現在の景気回復局面は今年9月で58カ月となり、それまで戦後2番目に長かった「いざなぎ景気(1965年11月から1970年7月の57カ月間)」を超えたと報じられました。

 確かに今、私が経営コンサルタントとして企業を見ている実感としても、国内景気は好調だと言えます。その一方で、そろそろ天井を打つのではないかとも感じています。

 さらに景気拡大が続き、2002年から73か月続いた戦後最長の「いざなみ景気」に近づくのか。あるいは、徐々に減速を始めるのか。日銀の異次元緩和の行方も見据えながら、国内景気の現状と先行き、そしてその中での日銀の思惑を分析します。

牛丼チェーン「すき家」も値上げを発表。コストプッシュ型のインフレからディマンドプル型のインフレに移れるかどうかが日本経済の先行きを占う(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

好景気は予想以上に続いている

 私は、現在の景気拡大がこれほど続くとは予想していませんでした。というのは、2002年から2008年まで約73カ月間続いた戦後最長の景気拡大期には、日本経済にとってとてもラッキーないくつかの要因が重なっており、それと同様のことが起こることは、とても想定できなかったからです。

 その要因を簡単に説明しておきましょう。まず一つは、1999年に決済用通貨としてEUが通貨統合を実現し、「ユーロ」が誕生。2002年に紙幣や硬貨の一般流通が始まりました。その後、欧州景気は伸びていきます。

 それまで、通貨の弱かったスペインやイタリアなどでは金利が相対的に高かったのですが、通貨ユーロの導入で金利が下がり、空前の住宅ブームや消費ブームが起こったのです。そのおかげで、車などの輸出国であるドイツなども景気が拡大しました。

 また、ほぼ時を同じくして米国では、住宅需要が拡大していました。2000年のITバブル崩壊後、当時のブッシュ政権が持ち家政策を進めたこともあります。それが、後の住宅バブルにつながるのですが、低所得者層など信用力の低い個人に対して、当初5年間は金利を安くするなどして住宅ローンを借りやすくする「サブプライムローン」が生まれ、不動産市況が過熱に向かったのです。普通ならローンを借りられない人まで家を買うわけですから、住宅バブルが起こりました。それにつれ、米国経済の7割を支える個人消費も、前年比で7%程度伸び、それが米国経済を牽引し、実力以上に成長していたのです。

 欧米景気に引っ張られる形で、中国経済も急成長を遂げました。2003年から2007年の間、中国の成長率は年率10%を超えていました。

 そして、中国や米国の経済成長の恩恵を享受したのが、日本です。日本は2003年5月、破綻寸前のりそな銀行に政府が2兆円の公的資金を注入したことで、金融危機に区切りを付けました。小泉政権の下で不良債権処理を行い、ようやく金融が落ち着き、そこに欧米、そして中国の景気拡大があって、景気拡大へとつながっていったのです。

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