父よ、あなたはどう生き、どう死ぬのか

第24回 残りの人生、○年を考える

 日経ビジネスオンライン読者の皆様、こんにちは。福島県の総合南東北病院で外科医をやっております、中山祐次郎と申します。まず少し近況から。

 先日、上京しまして両国国技館で相撲を観てきました。相撲は昔からよくテレビでは観ていましたが、実際に観るのはこれが初めて。高校時代からの友人が苦心して升席のチケットを取ってくれたおかげで、土俵からずいぶん近いところで観戦することができました。私が観たのは一月場所の始まった頃で、横綱が次々に休場してひとり鶴竜だけになっていたタイミング。「ちょっと盛り上がりに欠けるかな」などと思っていたのですが、全くそんなことはありませんでした。

国技館入口には、目に鮮やかなのぼりがありました。外国の人もたくさんいて、賑わっていましたよ

 相撲は朝8時半ころから、まず序ノ口と呼ばれる新人力士の取り組みから始まります。私は昼の2時くらいから観ていたのですが、ちょうど十両の土俵入りから始まりました。相撲界で一人前と見なされるのはこの十両からだそうで、力士たちは真剣な取り組みをしていました。しかし場内はまだお客さんもちらほら、がやがやと落ち着かない雰囲気です。観ている人もわずか。私が力士だったら、この中で真剣勝負をするのは嫌だなあ。きっと屈辱に感じてしまうでしょう。でも、この中から明日の横綱が生まれるのだと思うと、胸がいっぱいになり、気づいたら食い入るように観ておりました。頑張れ、若い力士たち。

土俵に近い席でした。これは午後3時くらいだったと思いますが、まだガラガラ……

 そして、4時くらいになりいよいよ幕内の土俵入り。華やかな化粧廻しをまわし、堂々とした立ち居振る舞い。ああ、これが国技なのか。私は見とれてしまいました。戦いの前の、研ぎ澄まされた精神がすべての力士の顔に出ています。

取り組み前の、集中した力士たち。艶やかな化粧廻しに見とれました

 取り組みは終わり、ものすごい量のお土産が渡されました。もちろんこんなに食べきれませんが、お皿などいただけるのですね。なるほど、お土産込みの値段になっているようです。

これがだいたい一人分で、4人で行ったのでこの4倍をもらったのです。お皿とか、結構おしゃれでした

 観終わり、両国でちゃんこを食べながら思いました。取り組みの、あの肉体と肉体の激しいぶつかり合い。そして力士たちの人生を乗せた、丸い土俵の静謐(せいひつ)。そのコントラストが、単なるエンターテインメントや格闘技の趣を超えて、もはや芸術性を醸しているのです。ぜひまた観に行きたいと思いました。テレビとは全く違うのですね。

 さて、前置きが長くなりました。今回はいつもの連載と違うスタイルです。

 今回は、「父よ、あなたはどう生き、どう死ぬのか」というタイトルで、文字通り父への私信というかたちをとりました。この中で、私はこれからの日本における「死」についてデータを交えお話ししたいと思います。父には無許可であり、息子から個人情報を流されると怒りそうなのでほどほどにします。九州出身の父はだいたい65歳くらいの男性であり、今も元気に働いています。年齢をはっきり書くと怒られそうなので、手紙の中では65歳としました。

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著者プロフィール

中山 祐次郎

中山 祐次郎

外科医

1980年生まれ。聖光学院高等学校を卒業後、2浪を経て、鹿児島大学医学部医学科を卒業。その後、都立駒込病院外科初期・後期研修医を修了。2017年2~3月は福島県広野町の高野病院院長、現在は郡山市の総合南東北病院で外科医長として勤務。

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記事のレビュー・コメント

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いただいたコメントコメント8件

とても素直な気持ちで書かれていて共感が持てました。

振り返れば...
父と息子って特に話をすることがないですものね。(2018/02/14 17:44)

父上と同じ65才のオヤジです。健康寿命のこと、目からウロコです。自宅の支払いは定年前に終えており、墓地も既に入手しています。息子は一応正社員のサラリ-マンですので、小生、再々就職しようかどうか迷っていましたが若干の蓄えがありますので、健康期間のうちに『やりたいことをやり、行きたいところ行こう』と決めました。やりたいことのひとつに、「京大へ行って中山先生と山中(伸哉)先生の実物を見る」ことを加えました。(2018/02/14 14:53)

岸信介とその孫の安倍総理が嫌いな親父ですが、
今年の年賀状にはこう書きました。
「転ぶな、風邪引くな、義理を欠け」と。(2018/02/14 12:02)

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