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19歳でがん、山下弘子の旅立ち

第28回 数年来の友人を失ったいま

2018年4月17日(火)

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 こんにちは、総合南東北病院の中山祐次郎です。先日、ヤフーニュースにこんな記事が載っていました。

 肝臓がんのため余命半年と宣告され、生命保険会社「アフラック」のがん保険CMにも出演していた山下弘子さんが亡くなったことがわかった。山下さんの夫が25日、公式サイトで報告した。
(日刊スポーツ 3/25(日) 11:19配信)

 この記事の山下弘子さんは、私の数年来の友人です。私は彼女のがんとの闘いを間近で見ておりました。妹のように親しくしていて、ほぼ毎週、連絡を取り合っていたのです。彼女は約6年の闘病期間を経て、3月25日に亡くなりました。この原稿は同日書いているため、私はまだ動揺しております。ですから、今回は⾮常に感情的なお話です。これを、医学の世界ではnarrative、物語的と言います。私はがんの専門家として、普段はエビデンスを核としたEBM(Evidence based medicine、根拠に基づく医療)による医療を行っています。が、実はがん治療に欠かせないのはNBM(Narrative based medicine、物語と対話に基づく医療)です。EBMとNBMは、車の両輪のようにどちらもがうまく動いて初めて治療をすることができるのです。特にがん治療の場合、それは顕著です。

 そこで今回は、物語的な心の動きを書き出したいと思います。

きっかけは「富士山に登らない?」

 弘子さんと初めて出会ったのは、ある女友達が私に「富士山に登らない?」と誘ってきた時でした。女友達は、「弘子が富士山に登りたがっているので、一緒に登ってくれる医者を探している」とのことでした。弘子さんが肝臓がんに罹患し、今も化学療法中であると聞いた私は、非常に悩みました。そんな病人と富士山登山なんて大丈夫なのだろうか。もし登山中になにかあったら責任は取れるのか。そもそも、そんな人が登っていいのだろうか……。

 さんざん悩んだあげく、私は行くことを決めました。そして当日、初めて彼女に会った私は驚きました。ショートパンツからすらりと出る脚は、どう見ても22歳の女子。はしゃぐ彼女を見て、これなら大丈夫かな……と思いつつも、登山の時には「無理に登頂を目指さない」ことを第一にしました。ま、彼女は「何言ってんの、絶対登るよ」と言っていましたが……。

コメント5件コメント/レビュー

「ねえ、私どこまで頑張らなきゃならないのかな」
 そう言う彼女に一度だけ、私は言いました。
「辞めてもいいよ。死んじゃっても、いいんだよ。俺は怒らない」

この会話ほんとうですか?
無神経だと思いました。あなた(医者)が怒るかどうか、もう「死んでもいい」
とか、そういうことを弘子さんが聞いたんじゃないと思います。
わかりませんか????
弘子さんは私は直接の知り合いではありませんが、ずっとずっと彼女の
ブログを拝見し、心の中で応援してきました。
亡くなってすぐ記事にするのではなく、もっと推敲するべきでしたね。
所詮、患者の気持ちなど医師は理解できないのでしょうね。(2018/04/17 11:24)

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「19歳でがん、山下弘子の旅立ち」の著者

中山 祐次郎

中山 祐次郎(なかやま・ゆうじろう)

外科医

1980年生まれ。聖光学院高等学校を卒業後、2浪を経て、鹿児島大学医学部医学科を卒業。その後、都立駒込病院外科初期・後期研修医を修了。2017年2~3月は福島県広野町の高野病院院長、現在は郡山市の総合南東北病院で外科医長として勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「ねえ、私どこまで頑張らなきゃならないのかな」
 そう言う彼女に一度だけ、私は言いました。
「辞めてもいいよ。死んじゃっても、いいんだよ。俺は怒らない」

この会話ほんとうですか?
無神経だと思いました。あなた(医者)が怒るかどうか、もう「死んでもいい」
とか、そういうことを弘子さんが聞いたんじゃないと思います。
わかりませんか????
弘子さんは私は直接の知り合いではありませんが、ずっとずっと彼女の
ブログを拝見し、心の中で応援してきました。
亡くなってすぐ記事にするのではなく、もっと推敲するべきでしたね。
所詮、患者の気持ちなど医師は理解できないのでしょうね。(2018/04/17 11:24)

実は私、山下さんの隣の家に住むものです。

ブログをいつも拝見して、陰ながら応援していたのですが
訃報を聞き、残念で悔しく寂しくてなりません。

彼女が高校生の頃には、私の娘と遊んでくれましたし、
成人式の朝見た振袖姿が眩しかったのを今でも思い出します。

最後の入院となった日に、家の前に救急車がとまり、山下さんが
運ばれるのも見ていました。あれが最後のお別れになるとは。。

山下さんの頑張り、前向きさ、明るさに勇気をもらい、思い切って
行動する大切さを学びました。

昨日「尿によるがん検査の実証実験」のニュースも見ました。
全てのがんが治る時代になってほしいと切に願います。(2018/04/17 11:12)

ひょんなきっかけから山下さんのつぶやきを読むようになっていました。症状について淡々と説明され,本当に重い病気なのかと思わせるような語り口に驚いてもいました。今年に入って急に書き込みが減り,パタリと途絶えたと思ったらご主人からの経過報告。何とか持ち直してと,本当に影ながら応援させていただいていましたが・・・

このコラムは日経メディカルオンラインに投稿された時点で拝読していました。中山先生もさぞかし落胆されたことでしょう。ご主人の心中もさぞやお辛いことと思います。ひろこさんのご冥福をお祈りいたします。

がんが簡単に治せる時代が来ることを願います。(2018/04/17 09:36)

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