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外科界のイノベーション、腹腔鏡手術とは?

第14回 意外に知られていない手術の中身

2017年9月15日(金)

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 こんにちは。総合南東北病院の中山祐次郎です。涼しい8月が過ぎ、長月になりました。こちら福島県郡山市では早くも鈴虫が鳴き、気温がどんどん下がってきています。街を歩いても、半袖の人は誰もいないといった具合です。

 少し近況を。私は先日、京都へ行ってきました。目的は京都大学大学院の受験です。来年度には京都大学で大学院生となり、「公衆衛生学」というものを学ぼうと思っています。久しぶりに筆記試験を受けたのですが、かなりのアナログで驚きました。試験では、問題用紙とともに大きな原稿用紙のような解答用紙が配られ、そこになんと鉛筆で手書きで回答するのです。

 こちらは入れていただきたい受験生の立場ですから偉そうなことは言えませんが、せめてワードプロセッサ(懐かしい響きですね)くらい使わせていただきたい。ま、おかげで、結構な数の漢字が書けなくなっていることに気づいたので良かったのかも。

 筆記試験が終わり、大学近くの定食屋さんへ。一緒に受験した医師の頼んだ「鱧(はも)」の量が多くて、思わず写真を撮らせていただきました。

大腸がんの7割は腹腔鏡で

 さて、今回は私の専門のど真ん中、手術についてのお話です。読者の皆様の中には、手術を受けたことのある方も多いでしょう。でも手術って、その真っ最中は自分は麻酔で眠っていますし、家族が手術室に入ることはまずありませんから、完全なブラックボックス状態になっています。そのため手術についての情報が世間にほとんどないようですので、ここで改めて取り上げたいと思います。

 私はほぼ毎日、手術室へ行き、執刀したり助手をしたりしています。最近は「指導的助手」と言って、私の責任のもとで若手外科医に執刀をさせ、指導するという立場の手術も増えてきました。毎日毎日、実に多種多様な手術があり、私は大腸がん、虫垂炎(いわゆる「盲腸」ですね)、鼠径ヘルニア(昔は「脱腸」と言ってました)、腸閉塞などの手術を行(おこな)っています。

 この手術、実はこの20年間で大きな改革(イノベーション)がありました。「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術」というものです。内視鏡手術と言う人もいます。

 これは、ごく簡単に言ってしまえば「小さな創(きず)だけで手術をする」というもので、日本でかなり普及してきました。大腸がん手術で言えば、おそらく50%くらいは腹腔鏡で行われているでしょう。やや先進的な病院198カ所からとったアンケート調査では、70%が腹腔鏡で手術を行っています。

コメント6件コメント/レビュー

筆者の中山です。コメントにお返事致します。
頂いたコメント;
内視鏡手術が開腹手術より高くなる理由が判りませんでした。高解像度のカメラやモニター、特殊な器具を使うせいなのでしょうか。

中山のお返事;
説明不足で、申し訳有りませんでした。開腹手術に比べて腹腔鏡手術が高価になる理由は、ご指摘の通りカメラやモニター、お腹を膨らませる(気腹といいます)機械とそのための二酸化炭素ガス、そして特殊な手術器具を使うため、手術の点数(=病院が得るお金)が開腹手術よりも高く設定されているのです。(2017/09/19 13:17)

「一介の外科医、日々是絶筆」のバックナンバー

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「外科界のイノベーション、腹腔鏡手術とは?」の著者

中山 祐次郎

中山 祐次郎(なかやま・ゆうじろう)

外科医

1980年生まれ。聖光学院高等学校を卒業後、2浪を経て、鹿児島大学医学部医学科を卒業。その後、都立駒込病院外科初期・後期研修医を修了。2017年2~3月は福島県広野町の高野病院院長、現在は郡山市の総合南東北病院で外科医長として勤務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

筆者の中山です。コメントにお返事致します。
頂いたコメント;
内視鏡手術が開腹手術より高くなる理由が判りませんでした。高解像度のカメラやモニター、特殊な器具を使うせいなのでしょうか。

中山のお返事;
説明不足で、申し訳有りませんでした。開腹手術に比べて腹腔鏡手術が高価になる理由は、ご指摘の通りカメラやモニター、お腹を膨らませる(気腹といいます)機械とそのための二酸化炭素ガス、そして特殊な手術器具を使うため、手術の点数(=病院が得るお金)が開腹手術よりも高く設定されているのです。(2017/09/19 13:17)

著者の中山です。コメントにお返事致します。
頂いたコメント;
腹腔鏡手術は群馬大学病院での同一医師による腹腔鏡手術で8人が死亡した事件が記憶に新しい
今回の記事でも出てくるが難易度の高さが関係しているのだろうか

お返事;
群馬大学病院で、患者さんの死亡が相次ぎました。あの医師は肝臓の専門家で、腹腔鏡で肝臓を切る手術を行い患者さんが死亡していました。理由としては病変に直接触れず、手術器具の操作が難しいという難易度の高さに加え、ずさんな手術後の治療(術後管理といいます)もあったようです。(2017/09/19 13:14)

著者の中山です。コメントのお返事を致します。
頂いたコメント;
私の叔母(88歳)も、危うく地方病院で開腹手術をされるところでした。
セカンドオピニオンを受け、内視鏡手術を受けた結果、ダメージも小さく回復も早く本当に助かりました(^o^)/

お返事;
病院や外科医によっては、腹腔鏡手術ができないため最初から説明にも選択肢にも入れない医師がいます。もちろん従来の開腹手術でも、その外科医や病院が安全に自信ある方法ですることが一番なのですが、「腹腔鏡手術という方法もある」という提案まではしない医師が多いですね。(2017/09/19 13:11)

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