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怒鳴り合い、喧嘩ができるのが、ハッピーな労使

「カルト」と呼ばれながら相談者が絶えない東京管理職ユニオン

2017年5月11日(木)

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 3回にわたって「東京管理職ユニオンこそ、カルトではないのか?」とするシリーズをお送りしました。
 今回が、労働組合・東京管理職ユニオン委員長の鈴木剛さんと、アドバイザーの設楽清嗣さんに取材を試みたやりとりの最終回となります。過去2回を振り返っていただくと、これまでの話の流れなどをご理解いただけるかと思います。
 最後に東京管理職ユニオンに対しての見方はさまざまですが、同時に、彼らに相談に行く会社員が後を絶たないのも事実なのです。

自己犠牲を払っても労働者を守る

「カルト」と批判・非難を受ける理由の1つは、経営者らと激しい争いすることもあるのではないか、と私は思います。これまでに経験した中で特にすさまじいものには、どのようなケースがあったのでしょうか?

鈴木:例えば、水商売の店で働く人への賃金未払い。これは完全な違法行為なのですが、泣き寝入りをする人が少なくない。我々が店の経営者らと団体交渉をすると、激しい言い争いになることもあります。店の経営者などが、
殴りかかってくることもありました。賃金不払いや不当解雇などをめぐり、ある産廃業者とは乱闘になりましたよ。

設楽:確かに、あれはすごかった。向こうは、鉄パイプを振り回し、追っ掛けてくる。だけど、我々は逃げない。自己犠牲を払い、闘う気概がなければ労働者を守れない。

設楽さんは、自らを「ナショナリスト」と認めておられますね。2015年9月に取材をしたとき、次のように話されています。少々長くなりますが、これら一連の発言が、現在の東京管理職ユニオンの思想として受け継がれていると私には思えます。

【以下2015年9月のインタビューより>

 1960年、17歳の少年が社会党委員長の浅沼稲次郎氏を殺害した事件が、当時、学生運動の闘士だった設楽さんに大きな影響を与えたそうです。

「すごいことをやるもんだ、やられたと思った。私は“テロがけしからん”という考え方が大嫌い。闘えば、殺し合いもある。

 彼らの思想ならば、一人一殺もあるだろう。政治のためには、一命を賭して闘うことはあり得る。あのような行動やその動機は、容易に理解できる。

 外国にすり寄るような発言をする政治家たちに対して、国を憂い、愛国の思いがみなぎるあまり、『何を売国的なことを言っているんだ! いい加減にしろ!』と怒る思いは十分すぎるほどにわかる。

 私は今でも、労働者がこんなに格差で苦しんでいる状況に対し、『ふざけるな!』という激しい怒りを持つことはある」

「私は、本当のナショナリズムを否定しない。左翼の意義は国や社会、労働者のことを憂いて愛することだと思う。国を愛しているならば、左翼か右翼しかない。

 私は(1960年の)日米安保には反対だったし、今も賛成できない。学生時代、日米安保を破棄し、日本人による義勇軍をつくって自主独立を守るべきだと主張した。

 1970~80年代、北海道にソビエトの軍が侵攻してくるといわれていた。そのときは義勇軍を結成すべきだと思っていた。70年代の成田空港反対闘争の頃は、自衛隊出身の男たちと武力闘争の訓練もしていた。

 いざとなれば銃をとって自己犠牲を払って闘う気概がなければ、労働者や国を守れない。そうでないとナショナルなものは成立しない」

 1990年代から東京管理職ユニオンを取材者として観察する私には、このあたりが、東京管理職ユニオンの真骨頂だと思うのです。それが、現委員長の鈴木さんらに受け継がれているように感じます。

設楽:自己犠牲を払って闘う気概がなければ、労働者や国を守れない思いは変わらないね。今は、カオス(混沌)の世の中なんですよ。だから、労働の最前線の東京管理職ユニオンもカオスになる。左翼もいれば、右翼もいる。

 いろいろな意見があって、もみ合っている状態を維持している。それを「カルト」と呼ぶなんて…。

 へえ~、そうなの、それを「カルト」とみなし、批判するわけね。私なんかは、「(そのとらえ方が)おもしろいね」って言いたい。「カオス」を「カルト」と言うのね。その区別もついていないのね。

鈴木:「カオス」を「カルト」とレッテルをはるならば、むしろ、「カルト」でありたい。記事にも、「カルト集団」と書いておいてください。

設楽:そうそう…。はっきりいって、私は「カルト」と言われてうれしいよ。

組合・東京管理職ユニオンアドバイザーの設楽清嗣さん

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「怒鳴り合い、喧嘩ができるのが、ハッピーな労使」の著者

吉田 典史

吉田 典史(よしだ・のりふみ)

ジャーナリスト・記者・ライター

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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