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或るプライベートバンカーの株価の読み方

2016年5月11日(水)

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 第2回(「上限は1万9000円?日経平均縛る「4%」」)は、「日本株は一旦戻るものの、日経平均で1万9000円に行ったら出来過ぎ」という所までお話ししました。いささか駆け足だったこの回を、今回はよりかみ砕いてお伝えしようと思います。

 こう申し上げた理由は、「日本企業の利益が少なくとも2017年3月期は伸びない、もしかすると日本企業の業績がピークアウトしつつあるのではないか」という状態だからです。 もし、業績予想が株価のガイドラインになるのであれば、そのガイドラインは横ばいからやや下向きを示唆している、という大きな方向が見て取れるのです。

企業収益予想と日経平均の推移
業績予想を示す赤い線は、TOPIX500銘柄の入れ替えとドル円の前提見直しによって将来部分が前回から変化しています。

 このパターンは先行きの予測が一番難しい所です。

 業績が落ち始めているのは分かってはいる。しかし、株価は現状で予想できる利益水準を基準にすると低水準。ということは、どこかで反発するはず。

 日経平均は、日銀の緩和策に対する期待の高まりで1万7500円強の所まで行き、その後調整に入りました。株価が市場の期待している業績トレンドライン(赤い線)に近づいてきた所ですから、少しずつポジションを落とし始める所です。 私の推奨も、リバウンドが大きかった景気敏感株を幾つか落とし、デイフェンシブな飲料メーカーなどに入れ替えました。

 「ちょっと待ってくれ、“業績トレンドライン”ってなんだ?」
 「日経平均のグラフとの位置関係はどうやって決めるんだ?」

どうしてグラフをこう重ねるのか?

 はい(日銀の金融政策については諸賢エコノミストの方に任せて)、今回は第2回でお約束しました通り、この赤い線、業績トレンドラインが「どうしてグラフのこの位置に置かれているのか?」「どのように使うのか? 」についてお話しします。

 業績トレンドラインは、2年先までの各社の純利益の予想値を積み上げた数字でできています。予想値は、セルサイド(※編注:証券会社)の、純利益(税引き後利益)の予想を使っていますが、自分なりの判断も盛り込んでいます。2年先までの業績予想をご自身で作って、それを月数按分しても、方法としては同じことです。

 では、「なぜ、業績トレンドラインを日経平均と重ねることが出来るのか。重ねるとしても、その位置はどうやって決めるのか」。結論は、私が「株価は予想業績に沿って動く」と考えているので、合わせるように位置をとる、そして株価がトレンドから大きく離れたら、市場が間違っているのか、自分が間違っているのかを考える、というものです。それでいいのか? と言われそうですが、長年使っていてちゃんと実績が出ていますので、ある程度の理屈は通っている、と思っています。

 グラフの赤い線、業績トレンドラインと株価は 「利益と株価」ですから、いわゆるPER(株価収益率、Price Earnings Ratio)の関係という事になります。 この赤い線の上に株価があったら割高で、下にあったら割安というのがこのグラフの見方なので、赤い線と株価が交わっている所が適正PERという事になります。 

 さて、では適正PERの決め方はどうするのか。

 機関投資家の間では、過去10~20年の平均に、今後数年の利益伸び率などを考えて決める事が多かったのですが、私はもっと単純に、他の先進国のPERを参考に決めています。結果として、現在の日本市場の適正PERは13~15倍(編注:PERは1株当たり純利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表します)程度だろうと思います。

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「或るプライベートバンカーの株価の読み方」の著者

居林 通

居林 通(いばやし・とおる)

UBSエグゼクティブ ディレクター

2006年9月、UBSウェルス・マネジメント部門のアナリストとしてUBS証券に入社。富裕層顧客に向けて、日本の株式、経済動向を分析し、国内・海外に発信している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師