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「言い訳や愚痴を聞く」から華僑は仕事が早い

2017年4月12日(水)

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 ITの普及や人口比率構成の変化などで、世の中は表面的には大きく変わったように見えますが、人間社会の根本は変わっていません。変わったことに気を取られて、いつの時代も変わらないことを見落としてはいけない。そのように私は華僑から教わりました。では、いつの時代も変わらないこととは何でしょうか? それは、人間が作っている人間社会では、何においても人間関係を制した者が勝つ、ということです。

 「天下を争う者は必ず先ず人を争う」。中国古典の『管子』にある言葉で「人を争う」とは、人材の獲得と人心の掌握という意味であり、成功したいならこのことを重視せよという意味です。どんなに優れた才能を持った人でも、人並み外れた努力ができる人でも、ワンマンプレーには限界がある、というのは誰しもご納得いただけることでしょう。

 それは仕事で問題・課題に直面した時にも言えることです。ビジネス社会では学生の定期考査のような「答えが1つしかない」という状況はあまりありません。答えが用意されていない中で答えを作っていくのがビジネスであるという前提にたったとき、自分の頭の中だけで考えるより、周囲の人たちの中に答えがあると仮定して考えるのはとても合理的です。自分の能力や努力の範囲でなんとかしよう、ではなく、周囲の人というリソースに目を向けることで、ブレークスルーが可能になるのです。

「時短」は華僑にとっても重要な課題

 最近のビジネス社会では「生産性の向上」と連動して「働き方の多様性」、さらには「時短」ということが注目を集めています。そんな中、ビジネスパーソンにとって残業時間の削減はもちろんのこと、休暇取得も喫緊の課題でしょう。

 時短の流れは止まらないでしょう。時短という時代の流れに乗るためには、仕事の要領の良さが求められます。要領の良さが求められるのですから、仕事が遅いと思われたくない。仕事が早いと言われる人になりたい。そういった願望が読者の中にもあるのではないでしょうか。

 では、仕事が早い人にはどんな特徴があるのでしょうか? 私の周囲を見てみると、華僑は概して仕事が早い、という印象があります。彼らが手を抜くのがうまいということではなく、また漢民族が特別優れているということでもありません。メンツ社会の本国を出てきた華僑たちにとって、立身出世しなければ帰郷できないという事情が大きく影響しています。出世しなければ故郷に帰ることができない、早く出世してできるだけ早く帰省したい、その思いが彼らの仕事を早くさせる骨幹にあるのです。

 仕事が早い華僑には共通の特長があります。その特長とは「話が早い」ということです。話が早いというのは、喋るスピードが速いということではありません。一つひとつの会話の完結が早いのです。さらに華僑たちをよく観察してみると、その会話の完結の早さの理由が分かります。それは「周囲との共有事項が多い」、ということです。

共有事項を増やせば仕事が早くなる

 例を挙げて説明しましょう。ある会社で、注文した品の納品が遅れたというトラブルがあり、原因は注文した社員が先方への確認を怠ったことでした。その社員は当然上司に報告しなければなりません。

 報告の際、上司との共有事項が多ければ「○○さん宛にFAXを送りましたが確認を忘れました」で済みます。一方、共有事項が少なければ「△□社の○○さんという人が担当なのですが、事務の人で、あ、若い女の人なんですけど、前にも発注書を紛失されたことがあったので確認の電話をしなければと思っていたんですが、ですがFAXを送ったのが夜だったもので明日にしようと思っていて忘れてしまいまして。実は翌日は朝から急なアポが入りましてうんたらかんたら…」。話が長くなる上、説明すればするほど言い訳めいて、上司の印象を悪くしてしまいます。

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「「言い訳や愚痴を聞く」から華僑は仕事が早い」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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