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部下の短所は直すべき? 直さないのが華僑流

2017年5月24日(水)

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 世界を席巻している中国資本ですが、本国から異国の地へ出て行く華僑たちは、「ビジネスの達人」「お金儲け」の代名詞としてユダヤとならんで有名です。そんな華僑たちは、コミュニケーションの基本である話す・聞く・書く・読むことに、ハンディキャップを背負いながらも成功を収めます。

 その成功の源にあるのはメンツでしょう。英中辞典に「mianzi」と表記されるくらい彼らはメンツ主義です。成功しないと、帰郷どころか、仲間内でさえ居場所がなくなっていくというプレッシャーのもと日々を過ごしています。

 メンツのためにいち早く成功をしたいと願いながらも、彼らは自分自身の中に二つの視点をもっています。一つ目は早く成果を出すこと、二つ目は長い目で見ることです。この二つは相矛盾するものですが、その矛盾を前提に突き進んでいくところに彼らの強さがあります。

結果を急ぐと、長所より短所に目が向く

 中国古典の『晋書』に「近きに貪る者は則ち遠きを遺し、利に溺るる者は則ち名を傷つく」という言葉があります。意味としては、目の前の利益を求めてばかりいる人は、遠い将来の大きな利益を逸し、利益ばかりを求める人は名誉を損なう、でいいでしょう。

 これを華僑的ビジネス超訳するなら、「無理に結果を早く出そうとすると欠点の克服に目が向いてしまう。欠点の克服を急ぐよりも、長所をさらに伸ばすことにフォーカスすればよい。長所はストレスを感じにくい場面が多く、やりがいを感じやすい。やりがいを感じていると、結果を急いで悪いことに手を染めたり不義理を行ったりとは無縁になるので将来的に名を落とすこともない」となります。

 高度成長期の日本は人材育成においても、長い目で見て人を育てていくところに特徴がありました。苦手な分野にチャレンジさせるにしても、それは逃げない心や諦めず折れない心を作る意図からです。

 そんな悠長なことは言っていられない、と感じる方もいるかもしれません。グローバル化した現代において、新興国の台頭は目を見張るものがあり、また時短のためにも生産性の向上は喫緊の課題だ、と。しかし、だからこそ尚更、短所を矯正・克服するよりも、長所を伸ばす施策を施すのが賢い選択といえるのです。

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「部下の短所は直すべき? 直さないのが華僑流」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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