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駆け引き上手な華僑が守る「陰」の立場とは?

2017年8月2日(水)

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 友人の間だけだから大丈夫、ペンネームを使っているからバレないなどと考えて、SNSなどで無用なトラブルを起こしてしまう人が後を絶ちません。インターネットでの出来事はインターネット内ですべて完結する、という誤解が間違いを起こす根底にあります。ツールとしてパソコンやスマホを使っていたとしても、その画面を見ているのは生身の人間であることを忘れてはいけません。

 そのような基本的なことは多くの人が理解していますが、間違いが起こるのは、誰しもが持ち合わせている承認欲求と、書くことによってスッキリ感を味わいたいという気持ちが原因の多くを占めています。

 中国古来の「陰陽」を理解している華僑は、炎上狙いの場合を除いてこのようなミスは犯しません。「陰陽」とは、簡単に言えば、静と動、暗と明のような、二つの対立する性質が万物のなかに存在しているという考え方です。

 インターネット上に当てはめると情報の発信者は陽になります。情報の受け手側は陰になります。普段のビジネス活動で言えば、仕事上で何かを提案したり、発言する側は「陽」で、それを受け止める側は「陰」です。

 この場合、自分のポジションが「陰」であるということはとても有利です。受け止める側であれば目立たちません。出る杭を打とうとしている人にも狙われませんし、落とし穴も掘られない、嫉妬の対象にもなりません。嫌われるリスクも減るでしょう。

 華僑が駆け引きをするにあたっては、常に自分が陰のポジションを取ります。自分が何をやろうとしているのかを相手に悟られてはいけない。語らないことこそが最強であると考えています。

 これは華僑だけでなく、中国人も同じです。中国の街中や日本でも彼らは大きな声でしゃべっていますが、そういう場合は、意味のない単なる雑談の時です。意味があることや何かを意図して話す時は、小さい声で話し、できるだけ相手にしゃべらせようとしています。どちらか一方が「ワァ~っ」としゃべっている場合は、相手にしゃべらされているのです。

 「語らない」という中国人の姿を体現している有名人に、中国の習近平国家主席がいます。彼は中国で共産党が政権を取って以来、一番強い国家主席とも言われていますが、彼こそ、歴代で一番語らない指導者です。ニュースで見る習近平も常に「陰」の状態でいることが伝わります。無表情で考えていることも読めません。

「語らない」ことで相手のミスを引っ張り出す

 そもそも自分が「陽」になって、何かを発してしまった場合、それを「今の発言はナシ!」と引っ込めるのはなかなか難しいことです。自分が「陰」になれば、そういうミスをしなくてもすみます。

 華僑の場合は、相手から「陽」を引き出すことで、そういうミスをさせるという手段をよく使います。私もその手に引っかかり、うっかり口を滑らせて、「しまった!」ということがよくありました。

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「駆け引き上手な華僑が守る「陰」の立場とは?」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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