• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

華僑が密かに好む奇書「厚黒学」のゆるい実践法

2017年9月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 これはサムライ魂を大切にしたい日本人には、なんて性格の悪い、意地汚い、と罵りたくなるような考え方ですが、そのように腹立たしさをあらわにすることが彼らの狙いでもあるのです。

 彼らは、怒る=弱点と考えています。「潔くないじゃないか」と怒れば怒るほど、彼らは喜びながら、それをすぐに訂正し、いざという時の駆け引き材料のためにとっておくということをします。まさに相手が怒るのを見て「しめしめ」と思う腹黒さ、それをすぐに引っ込めてこちらが困った時にそれを出してくる面の皮の厚さ、この2つを使い、ビジネスにおいても有利に物事を進めているということになります。

古来論争の的。人間の本性は善か? 悪か?

 日本において道徳の見本の1つとして孟子の教え「性善説」を学んでいる人も少なくないでしょう。この「性善説」をあっさりとバッサリと切り捨てるのが「厚黒学」です。

 孟子の言葉の「仁義礼智は、外より我を飾るものにあらず、我これをもとよりもてるなり」。意味としては、仁義礼智という4つの徳は後から飾り付けたものではなく、人間本来もって生まれたものである、という言葉です。

 仁義礼智は、孟子の四端説で取り上げられるもので、儒教が説く徳とされます(儒教では4徳に「信」を加えた5徳)。「仁」とは思いやりの心を説いたものです。「義」は利の反対で私欲にとらわれないことを説いています。「礼」は仁をわかってそれをいかに具体的な行動に落とし込むかを説いています。ちなみにこの「礼」は性悪説の荀子が最も重要視した概念の1つです。「智」とは知識、智恵の大切さを説いています。

 「厚黒学」では次のように孟子の四端説を例にあげ、真っ向から否定しています。

 幼い子供と母親を思い浮かべればいいでしょう。幼い子供は、母親の愛情など気づかずに、本能の赴くままに、母親の茶碗に手を突っ込んで母親の分まで食事を奪おうとします。兄弟姉妹がいれば、彼ら彼女らの意思とは無関係にその欲するままに、兄弟姉妹のお菓子に手を出し、場合によっては攻撃をしたりする。この幼い子供を見て、「仁義礼智は、外より我を飾るものにあらず、我これをもとよりもてるなり」など、後からの教育のものとわかるはず、と綴っています。本能の赴くままに、兄弟を殺し、我が子を殺し、父親を脅し、天下を取った唐の太宗を例にして、本能を解放することによって大事業を成し遂げられることを肯定しています。

 腹黒く、面の皮が厚い、という意味では、日本で人気の兵法家の孫子も負けてはいません。日本の四字熟語にもなっている「呉越同舟」。この言葉は元々孫子が言った言葉で「呉人と越人、あい憎む。まさにそれ同舟して共に済らんとするに風に逢う。そのあい助くるや、左右の手の如し」。意味としては、呉人と越人は普段は憎しみ合っているが、同じ船に乗っていて嵐にあえば、皆お互いが協力しあうようになる、でいいでしょう。これは船を守る、という目的達成のためには、敵とも平気で手を組む、という解釈ができます。

コメント2

「華僑直伝ずるゆる処世術」のバックナンバー

一覧

「華僑が密かに好む奇書「厚黒学」のゆるい実践法」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師