• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

人と自分を比べない華僑は「弱くても勝つ」

2016年11月16日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 年功序列制が多くの企業で廃止され、成果に応じての業績連動給が定着してきた感がある昨今の状況に、嫌気がさしている人も少なくないのではないでしょうか? 失われた10年とも20年ともいわれ、頑張れば報われるという雰囲気はどことなく嘘っぽいイメージになっています。

 ビジネス社会はやっぱり弱肉強食、弱いものは結局最後は強いものに食われてしまうのも仕方のないことと諦めるほど、みじめな思いが湧いてくるはずです。果たしてそれは本当でしょうか? そんな意気消沈しているあなたに老子は次のように語りかけます。「柔弱は剛強に勝つ」。これは、「ほとんどの人は、強い人が弱い人に勝つと思っていますが、実はその反対で、弱いものが強いものに勝つのです」という意味を持っています。

 老子は弱いものの例えに「水」をあげています。水は柔らかく非常にか弱いものと思われがちです。ですが、その水は大きなタンカーを海面に浮かべ、屈強な鉄を錆びて使いものにならなくさせます。そして「雨垂れ石を穿つ」の諺にもあるように、滴るだけで硬い石に穴を開けてしまうのです。強いミサイルは、ビルを打ち壊せても、水を崩壊させることはできません。

自分を知っている「つもり」の人が実は大半

 そうなのです、ある角度から見れば非常に弱く、負けたように見えても、長期的に見れば、長期戦に持ち込めば、必ず勝算はあるのです。そのためには諦めないことが肝心になります。

 そんなことを言っても、勝負は見えている、と感じる方もいらっしゃることでしょう。そんな人に、老子は続けて次のような言葉も残しています。「知人者智、自知者明」(人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり)。意味するところは、人を知ることは単なる智者にすぎない、自分自身を知ることこそが最上の明智である。すなわち自分のことをしっかりと知ることが重要で、そうすれば水のような戦い方ができるようになる、という勇気を与えてくれる言葉です。

 老子の言葉は、言わずと知れた中国古典の代表的なものです。異国の地で言葉もままならない状況からお金持ちに登りつめていく華僑は、これらの中国古典に常日頃から慣れ親しんでいます。その理由は明確で歴史は繰り返すからです。古くからの言葉を自分に当てはめたうえで、現代の複雑化した社会をヒモ解き、簡素化することでうまくくぐり抜けていくのが華僑たちなのです。

 「自分のことは自分が一番わかっているよ」、と考える方もいるかもしれません。ただし、中国古典には自分、己を知ることの大切さを意味する言葉が随所にちりばめられているのを鑑みれば、自分のことが正しくわかっていない人が多くいることを示唆しているといえます。

 「うまくいくのは難しい、でも自分のことは自分が一番わかっている」と考える人の多くは、相対的な自分の位置をわかっているに過ぎません。○○○さんより△△ができる、○○○君より△△ができない――など、自分というものさしではなく他人軸で物事を比べていることが大半です。これに気づいて改めることから始めるのが肝要でしょう。

 自分のことを知るために、他人軸ではなく本当の自分に向き合うのは、辛い時もあります。辛い時があるというよりも辛い作業の方が多いと言っても過言ではないでしょう。ですが、それを乗り越え自分の弱さを本当に知ることによって、水のように弱くても勝利できるようになるのです。

コメント1件コメント/レビュー

毎回目からうろこの視点で、楽しく拝読しています。「強いものが勝つ」と上だけを見るのではなく、したたかに柔らかに、水のように生きていきたいと思いました。(2016/11/16 10:27)

「華僑直伝ずるゆる処世術」のバックナンバー

一覧

「人と自分を比べない華僑は「弱くても勝つ」」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

毎回目からうろこの視点で、楽しく拝読しています。「強いものが勝つ」と上だけを見るのではなく、したたかに柔らかに、水のように生きていきたいと思いました。(2016/11/16 10:27)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員