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IT時代に効く!古くて新しい華僑的「根回し」

2017年12月6日(水)

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 ITツールでのやり取りが当たり前の時代になりました。メールやチャット、グループウエアなどなど、迅速にいつでもどこでも業務ができるようになってきました。ですが、手放しに喜べない部分もあるのではないでしょうか? そうです、ITツールを使うと証拠が残ってしまうのです。文書などの保存も驚くほど簡単になり、クラウドに念のためにあげておいた情報なども検索でたどり着いてしまうと、わかってしまうことが増えました。

 ビジネスは武器を使わない戦争と喩えられるように情報戦です。こちらの情報、こちらの動きがライバルたちに筒抜けでは情報戦を制することができません。そこで参考にしたいのが、IT時代でも動きの読めない華僑です。

 華僑のモットーは「戦わずして勝つ」ですが、戦わずして勝つためにまず「戦う前に勝つ」ことを目指します。いずれも『孫子の兵法』の思想で、「戦う前に勝つ」を表しているのが次の言葉です。

 「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む」。意味は「勝つ人はまず勝利を得てから戦おうとするが、負ける人はまず戦いを始めてから後で勝利を求める」でいいでしょう。

 ビジネスにおいて「戦う前に勝つ」方法とは「根回し」にほかなりません。根回しは水面下で非公式に行うものです。ライバルに察知されると成功しません。ですので、オフラインでいかに動くかが重要になってきます。ITツールを使ったオンラインでのやり取りが当たり前の世の中だからこそ、華僑は対面コミュニケーションを基本とする昔ながらの根回しが奏功すると考えているのです。

 根回しは華僑のお家芸というわけではありませんが、これまでも当コラムで述べてきたように「ずるい=賢い」「賢い=ずるい」を常識とするのが華僑です。それが根回しにどのように発揮されているのか、華僑のバイブルである中国古典の言葉を交えながら見ていきましょう。

根回しの邪魔者を自然に遠ざけるコツ

 「孫呉」と言われるように、『孫子』と並ぶ兵法書とされる『呉子』。その『呉子』に「可を見て進み、難を知りて退く」という言葉があります。可能と見れば進み、難しいと分かれば退く。当たり前のことですが、根回しにおいては、合意を取り付けられそうな相手には近づき、それが難しそうな相手からは遠ざかることが重要になってきます。

 特に重要なのは「難を知りて退く」です。明らかに方向性が違うなど、どう説得しても合意を取り付けられそうにない相手に、こちらの思惑や動きを知られては面倒です。そのような相手からは少し距離を置きつつ観察する慎重さが必要になってきます。

「華僑直伝ずるゆる処世術」のバックナンバー

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「IT時代に効く!古くて新しい華僑的「根回し」」の著者

大城 太

大城 太(おおしろ・だい)

前仲原物産社長

大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーを経て、華僑の大物と言われる人物に師事。起業1年目でアルバイトと2人で年商1億ビジネスを作成。現在、前仲原物産、エスディーメディカルなど5社の代表を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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