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「軍事研究容認」と叩かれても伝えたいこと

大西隆・学術会議会長「避けてきたテーマに向き合う時」

2017年4月11日(火)

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安全保障技術研究推進制度の予算は増え続けています。

大西:そこをどう捉えるかは難しいところだ。例えば文部科学省などの、幅広い分野を対象とした研究資金である競争的資金は、少なめに数えても4000億円強。多めに数えると7000億円ぐらいある。基盤的経費まで入れて考えると2兆円以上にのぼる。

 一方、防衛装備庁の予算は現在110億円。このうち90億円程度は5年間で使うことになっている。比較すると、そこまで大きな額ではない。

デュアルユースの議論は不十分

学術会議での一連の議論では、「デュアルユース」という言葉がキーワードになりました。
 

大西:デュアルユースには2種類の方向性がある。本来は、民生的な目的で使う研究の成果が軍事的な目的に使われること。もう1つが、防衛装備庁のような軍事的な組織が研究費を出して研究をして、その成果が民生的な目的にも使えるというもの。

 防衛装備庁による安全保障技術研究推進制度は、軍事目的から始まった研究が民生的な目的にも使えますよという制度になる。この軍事的組織から民生部門への転用をもっと議論したかった。実際の検討委員会では、もうちょっとストレートな議論になっていった。

ストレートな議論とは?

大西:防衛装備庁からの研究費で研究することが、良いか悪いかということ。先ほど説明したデュアルユースの全体像からすれば、議論に広がりが欠けていたといえる。
 

民生的な研究を防衛・軍事技術に活用することについても、十分に議論されなかったように思えます。

大西:文部科学省が支給する科学研究費補助金を利用した基礎研究からも、防衛装備に応用できる成果は出ている。民生的な研究の成果を軍事的な目的で活用するケースは十分あり得ることだ。

 例えば、私が学長を務める豊橋技術科学大学から、防毒マスクのフィルターの研究が安全保障技術研究推進制度で採択された。この研究は、化学工場の防災対策にも使える。従って、民生的な研究費で進めることも可能性としてはあり得る。

 学術会議もあえて見ないようにしている所があるが、民生的研究に端を発したデュアルユースはずいぶん多い。日本では特に、材料関係の研究が進んでいる。強くて軽い材料は軍事的装備に応用できる。そういう分野は、デュアルユースの事例が多い分野ではないか。

 軍事転用される可能性が高い分野を研究する人たちにどういう指針を出すのか。少しでも転用の可能性があるものは禁止となれば、研究ができなくなる分野も出てくる。

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「「軍事研究容認」と叩かれても伝えたいこと」の著者

武田 健太郎

武田 健太郎(たけだ・けんたろう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学教育学部卒業、日本経済新聞社に入社。「NIKKEIプラス1」を担当後、証券部で金融マーケットや企業財務を取材。CFA協会認定証券アナリスト、AFP(日本FP協会認定)。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師