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「軍事研究容認」と叩かれても伝えたいこと

大西隆・学術会議会長「避けてきたテーマに向き合う時」

2017年4月11日(火)

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大西 隆(おおにし たかし)
1948年生まれ。1980年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。1995年東京大学大学院工学系研究科教授。2014年から第23期日本学術会議会長。 東京大名誉教授。豊橋技術科学大学長。専門は都市工学(写真:木村輝、以下同)

 科学者の代表機関である日本学術会議は、防衛・軍事技術の研究に学術界がいかに関与すべきかを1年にわたり議論してきた。この春に発表する声明で、軍事目的の研究を行わない従来の姿勢を継承する方針を固めた。声明案では防衛装備庁が研究費を支給する安全保障技術研究推進制度については「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と指摘している。

 議論の過程で最もスポットライトを浴びたのが同会議の大西隆会長だ。自身が学長を務める豊橋技術科学大学は、防衛装備庁による推進制度の第1号案件となった。「自衛目的に限定するならば、安全保障に関連する研究への学術界の協力を容認して良い」との持論も発信してきた。

 一部メディアから「軍事研究を容認している」との批判を受けることもあったが、大西会長は「長く避けられてきた防衛・軍事技術の研究というテーマに、学術界として向き合うきっかけを作りたかった」と語る。

学術会議の意見と、世間一般の意見は違う

今回の学術会議の議論では 防衛装備庁が大学などに研究資金を支給する安全保障技術研究推進制度に対し、強い反対がありました。

大西:研究者全体の意見の分布は分かりにくいところがある。反対が強かったのかどうかは判断できない。ただ、学術会議の声明案は安全保障技術研究推進制度は「問題が多い」と指摘する格好でまとまったので、少なくとも学術会議で推進制度の利用について議論した「安全保障と学術に関する検討委員会」のメンバーの間では、そうした考え方が多かったことになる。ただ、世の中全体と検討委員会の意見とは違うかもしれないとは思っている。

学術会議の議論は、世間の意見を反映していないということでしょうか。

大西:ええ。特に安全保障と学術に関する検討委員会は公開の場で議論しているので、メディアが多く来る。何か発言すると新聞などに取り上げられる。そう考えると、思っている意見を表明できなくなるケースがあったかもしれない。

 自分のコメントがメディア上で増幅して取り上げられとなると、メディアを意識する傾向がどうしても出てしまう。
 

自衛に関する科学技術は、自国内である程度研究する必要があるとの意見もあります。

大西:そういう点は非常に重要だと思う。日本の安全保障について国民がどう考えていて、科学者はどう考えるのか。世論調査を見ると、自衛隊の存在を肯定的に捉えている人が圧倒的に多い。

 特に自衛隊の装備については、「現状のまま」あるいは「もうちょっと強化した方が良い」と答える人が合わせて90%程度いる。国民の大多数は、何らかの安全保障が必要だと思っているのではないか。

 安全保障が必要ということは、そのための研究も必要だということ。ただ、どの程度の研究までが、必要な安全保障の範囲となるのか。自衛隊の活動範囲には制限があるため、その枠の中で議論されていくべきだ。

議論が始まった昨春から、大西会長は推進制度の活用に肯定的なスタンスを取っているように見えました。

大西:私はそうは思っていない。私が学長を務める豊橋技術科学大学から、安全保障技術研究推進制度に採択される案件が出たので、推進制度肯定派と世間に思われたのかもしれない。

 推進制度そのものには反対してはいないが、金額規模が今後もどんどん大きくなることは肯定しない。むしろ、民生的研究費による成果を防衛装備庁がウオッチして、それを参考に軍事への応用を進めていく方が効果的だと基本的には思っている。

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「「軍事研究容認」と叩かれても伝えたいこと」の著者

武田 健太郎

武田 健太郎(たけだ・けんたろう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学教育学部卒業、日本経済新聞社に入社。「NIKKEIプラス1」を担当後、証券部で金融マーケットや企業財務を取材。CFA協会認定証券アナリスト、AFP(日本FP協会認定)。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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