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「中国の人から受けるストレス」の理由

  • 田中 信彦

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2018年4月17日(火)

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「スジ」で考えるか、それとも「量」か

 と、大上段に振りかぶって始めたが、中身はできる限り具体的にしたい。中国人の判断基準や行動原理を、実例をもとに考えていきたいが、その際に私がフレームワークにしているのが、この連載のタイトルでもある「スジ」か「量」か、という切り口である。

 「スジ」で考える日本人
 「量」で考える中国人

 この枠組みで中国の社会や人々を見ることを、私は15年ほど前からあちこちの講演や企業での研修などでご紹介している。

 「スジ」とは何か。

 「そんな話はスジが通らない」「スジを通せ」などと言うように、「規則」「ルール」「道徳的規範」など、「こうするべき」という、いわば「べき論」のことと思ってもらえばいい。

 日本人、日本社会はこの「べき論」が好きで、とにかく「話にスジが通っているか」を重視する。逆に言うと、スジが通っていれば損得勘定は二の次、みたいな部分もある。

 一方、中国人的判断の基礎となる「量」とは何かと言えば、「これだけある」という「現実」である。「ない袖は振れない」という言葉が日本語にはあるが、現実に「袖」という物体がなければ、振りたくても振ることができない。いくら「袖を振るべきだ」とスジ論を言っても、まさに「ないものは振れない」のである。

 つまり、ここで言う「量」とは、「あるべきか、あるべきでないか」はともかくとして、「あるのか、ないのか」「どれだけあるのか」という現実を示している。

 中国人、中国社会が重視するのはこちらである。「あるべきか、どうか」の議論以前に、「現実にあるのか、ないのか」「どれだけあるのか」という「量」を重視する傾向が強い。

通路で立ち話をするのは悪いこと?

 具体的な例で考えた方が分かりやすいだろう。

 これは実際に中国の日系企業「あるある」の類の話なのだが、例えば、オフィスと社員食堂をつなぐ通路があったとする。昼休みの前後など、かなりの人がこの場所を通るので、通路の幅は結構広くて、余裕のあるつくりになっている。

 ある日、日本人赴任者の田中さん(仮名)がその通路を通りかかると、通路の真ん中に4~5人の中国人従業員が立ち止まって談笑している。話が盛り上がって、とても楽しそうだ。先に述べたように通路の幅はそれなりに広いので、この従業員たちが立ち話をしていても他の人は十分に通路を通ることができる。道をふさがれて通れない状況では全然ない。

 こういう場面があったとして、皆さんはどうお感じになるだろうか?

 田中さんの発想はこうである。

 「ったく、こいつら鬱陶しいなあ。通路ってえのは、そもそも通るためのところであって、立ち話をする場所じゃあねえんだ。通れればいいってもんじゃあねえんだよ」

 これが「べき論」発動の瞬間である。

コメント83件コメント/レビュー

「スジ」と「量」、世界的にはどうなんでしょうか。
イギリスは前者、アメリカは後者のような気は何となくしますが、他の国々はどうなのでしょう。

ご存じの方、教えてください。(2018/05/08 11:59)

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いただいたコメント

「スジ」と「量」、世界的にはどうなんでしょうか。
イギリスは前者、アメリカは後者のような気は何となくしますが、他の国々はどうなのでしょう。

ご存じの方、教えてください。(2018/05/08 11:59)

フランス在住です。フランス人・フランス社会も中国的発想に限りなく近いものがあります。
以前、仏企業から精密機械を購入した日本企業とのやりとりを通訳しましたが、全てに事前確認をして、問題が起きないように念には念を入れたい日本側と、取り敢えずやってみて、ダメだったらその都度直す方式で進めるフランス側の間には、永遠に分かり合えないだろう大きな隔たりがありました。
スジと量。なるほど、そういうことだったのですね。すごく腑に落ちました。(2018/05/08 10:14)

これは現実がどうだという話ですね。日本人が、日本で中国人に日本的な行動を求めても問題なしでしょうが、中国で求めるとおかしい、その逆もまた同じ、ということですね。最近、中国でも海外の状況等を学んだ人たちの間から、文化度が低い/高いという議論が生まれていますね。国際社会に向けて、徐々にではありますが、中国も変わりつつあるということでしょう。中国でも、中国をそのままうのみに受け入れるのではなく、「通路の真ん中を避けて、片側で話すとお互いにいいよね」という考えもあるということを説明していくというのは重要なことではないかとも思います。(2018/05/08 07:07)

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