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東大生ベンチャーが挑む世界の水不足解決

2016年5月25日(水)

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 設立したばかりのスタートアップ企業(ベンチャー企業)への投資・育成を手がけるMistletoe(ミスルトウ)の孫泰蔵社長兼CEO(最高経営責任者)。アジアにシリコンバレーのようなエコシステムを形成し、日本に、そして世界にイノベーションを起こそうと情熱を注ぐ。

 この連載では泰蔵社長が惚れ込み、支援を決めた会社を紹介していく。栄えあるトップバッターはHOTARU(ほたる)。東京大学大学院の学生が2014年10月に設立した会社だ。HOTARUが目指す、世界規模の問題解決とは――。

 「世界の水不足を解決したい」――。

 こんな壮大な志を掲げ、新たな水循環システムの開発に挑戦するスタートアップ企業があります。

 その名はHOTARU(ほたる)。2014年10月、現役の東京大学大学院生である北川力くんと奥寺昇平くんが立ち上げた会社です。若い2人は今、世界を揺るがす大きな問題に真正面から取り組もうと奮闘中です。

倉庫で試作した水槽型の初号機

 前回、私は今、志を同じくする仲間たちとともに、起業のエコシステムをアジアに作ることを目指していると書きました。私が社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるMistletoe(ミスルトウ)では今、スタートアップ企業を支援しながら、エコシステムをつくる取り組みを本格化しています。

 Mistletoeはいわゆるベンチャーキャピタルとは異なります。ただ資金を提供するだけでなく、製品やビジネスモデルを彼らと一緒に開発。追加の資金を調達すべく、新たな投資家も探します。濃く深く、スタートアップ企業にかかわります。

 手間も時間もかかりますから、多くのスタートアップ企業を支援することはできません。手を組む相手は厳選しています。我々が選りすぐった数少ない企業の1つがHOTARU。今回はHOTARUがどんな志を抱き、どんな活動をしているのかをご紹介しましょう。

 周知のとおり、世界の水不足は深刻です。かつて、世界銀行の幹部が「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と警告したことはよく知られています。

 実は米シリコンバレーも近年、干ばつの影響でダムが渇水し、水不足に悩まされています。水道料金は大幅に値上がりし、取水制限がかかるなど、市民の生活にも影響が出始めています。

 「雨が多い日本では水の問題は大きくないだろう」と考えるなら大間違い。日本には渇水や水不足とはまた別の問題が存在します。上下水道のインフラ維持です。

 日本の水は現在、巨大なシステムの中で循環しています。
 川の流れをせき止めてつくったダムに水をため、浄化し、上水管を通して家庭や工場やオフィスに送る。使った水は下水管を通して下水処理場に流し、浄化したうえで海に排出する。海の水が蒸発し、やがて雨となって地上に降ると、川に流れ込み、再びダムに水がたまる――。

 我々は、ためて、使って、きれいにして、流して、またためて、使って…というループの中で水を利用しています。問題はこのループが極めて巨大であること。巨大であるがゆえに、そのループを実現するためのインフラには莫大な費用がかかります。日本の上下水道の総資産は累計100兆円という試算もあるほどです。

 ちなみに、電力事業大手10社の総資産は累計45兆円、通信事業大手3社の総資産は、通信インフラ事業以外も含めて累計45兆円という話も聞きます。水のインフラがいかに巨大なものかがわかります。 この巨大なインフラは維持するのも大変です。過疎化の影響で税収が減っている地方自治体では、上下水管の修理・保全にかかる費用が、歳出の中で大きな割合を占めるようになりました。今後、インフラのさらなる老朽化が予想される中、財政的に行き詰まる懸念すら生じています。

 世界に目を転じると、アジアやアフリカの途上国が発展するためには、この巨大なループから成る水のシステムを整えなくてはいけません。資金も技術も人員も必要で、それらが揃うまでには相当の時間がかかることでしょう。

 HOTARUを率いる若き2人は、様々な困難を伴うこの巨大ループから脱却した水活用の仕組みを新たにつくり上げようとしています。

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「東大生ベンチャーが挑む世界の水不足解決」の著者

孫 泰蔵

孫 泰蔵(そん・たいぞう)

Mistletoe社長兼CEO

1972年生まれ。東京大学在学中にインディゴを設立しネット起業家の草分けとして活躍。起業家を育てるシリコンバレーのようなエコシステムを日本に構築することを提唱する。ソフトバンク社長の孫正義氏は実兄。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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