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場の雰囲気を伝える目線追跡技術

2016年10月6日(木)

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「VR(バーチャルリアリティー=仮想現実)」元年といわれる今年、市場には様々な関連機器やコンテンツが登場し、話題を集めている。スタートアップ企業(ベンチャー企業)への投資・育成を手がけるMistletoe(ミスルトウ)の孫泰蔵社長兼CEO(最高経営責任者)もVR技術に注目する一人。ビジネスシーンに革命的な変化をもたらすだけでなく、その進化の先には、人間の能力を拡張した「BR(Beyond Reality=超現実)」の世界が拓けるとの将来像を示す。

FOVEが開発したヘッドマウントディスプレー

 9月15日から幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2016」。今年、会場の話題と人気をさらったのはなんといっても「VR(バーチャルリアリティー=仮想現実)」関連の機器やコンテンツでした。

 ゴーグル型のヘッドマウントディスプレーを装着すれば、コンピューターが作り出した3次元の空間に入り込み、現実世界と同じ感覚を味わえる。周囲の360度を見渡すこともできれば、歩き回ることもできる。

 市場には様々な機器やコンテンツが登場。今年はVRの機器やコンテンツが本格的な普及期に入る「VR元年」と見られています。当然、私も我々の世界を変え得る技術として注目しています。といっても、私がVRに見いだしている可能性は、他の人とはちょっと違うかもしれません。

 現段階でVRのキラーコンテンツと目されているのはゲーム。3D空間の中で、臨場感と没入感を味わいながらゲームを楽しむことができるはずです。

 広くエンターテインメント分野でVRが浸透していくことでしょう。世界中をバーチャルに旅行したり、フィールド内に“入り込んで”スポーツを観戦したり、遠隔地にいたままライブを鑑賞したりといった具合です。

 ビジネスシーンでも様々な形で活用されるはずです。例えば、不動産の取引。該当物件の周囲360度をカメラで撮影した映像さえあれば、現地に行かなくても、視察ができます。ヘッドマウントディスプレーで見て「天井が高くて開放感があるな」「広さは十分だね」と確認できるようになります。医療、教育などの領域でも、応用が期待されます。

 このように、VRを利用すれば、従来は行かなくてはならなかった場所に必ずしも行く必要がなくなります。

 従来は行かなくてはならなかった場所といえば、その筆頭はオフィスです。満員の通勤電車に揺られて決まった時間帯に出社し、他の社員と同じ空間にとどまって業務をこなし、時に担当者が集まって打ち合わせをする。これがビジネスパーソンにとって当然の働き方でしたが、VR技術が普及すれば、このスタイルは絶対的なものではなくなります。

 会議や打ち合わせが必要な場合には、時間を合わせてバーチャルに集合すれば済みます。身体は自宅に居ようと、近所の公園に居ようと、ハワイであろうと問題ない。好きなところで仕事ができる「Working Anywhere」の時代が到来します。

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「孫泰蔵の「ワイルド・サイドを歩け」」のバックナンバー

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「場の雰囲気を伝える目線追跡技術」の著者

孫 泰蔵

孫 泰蔵(そん・たいぞう)

Mistletoe社長兼CEO

1972年生まれ。東京大学在学中にインディゴを設立しネット起業家の草分けとして活躍。起業家を育てるシリコンバレーのようなエコシステムを日本に構築することを提唱する。ソフトバンク社長の孫正義氏は実兄。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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