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石原元知事「脳梗塞で平仮名すら忘れた」の衝撃

他人には理解されにくい「高次脳機能障害」

2017年5月15日(月)

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 「平仮名を忘れてしまった人間がベストセラーを書き、記者会見で当意即妙に話せるわけがない。初めから逃げを打ったという受け止めは当然でしょう」

 都合の悪い事は脳梗塞のせいにして「記憶にない」で押し切ろうとする態度は卑怯千万というわけである。しかし私には「平仮名を失った」ことを吐露したことの重さがずしりと響き、複雑な思いが脳裏をよぎった。

 「石原さんは高次脳機能障害だったんだ」

初台リハビリテーション病院へ転院した、2年前の3月3日

 3月3日は私にとっても特別な日である。

 脳梗塞を発症し、本格的なリハビリをするために初台リハビリテーション病院へ転院したのが2年前の3月3日だった。2月10日に脳梗塞を発症し、右半身麻痺になった私は1日も早くリハビリ専門病院への転院を待ち望んでいた。「初台に行けば必ず良くなる」と信じることで、絶望を希望へと繋げていたのである。どんなに辛いリハビリにも耐えて、やり抜く覚悟もあった。ただひとつだけ、心底恐れていたことがあった。

 それが「高次脳機能障害」だ。

 一般的に脳梗塞というと手足の動きが不自由なことなど、外見からそれとわかる運動機能の障害にばかり関心が向けられるが、脳の機能そのものに障害が残ってしまうことも少なくない。
 短期記憶が著しく低下したり、論理的思考ができなくなったり、感情のコントロールができなくなったりという具合である。

病院で出会った人も、平仮名が読めなかった

 石原氏が口にした「平仮名を忘れる」とはどんな状態を指しているのだろうか。

 正確なところはご本人に確認してみなければ分からないが、おそらく石原さんは平仮名を読むことが出来ないのだろう。「聞く」「話す」は会見中の記者とのやりとりを見てもわかる通り、何ら問題はなかった。高齢になったとはいえ、その姿はいつもの石原慎太郎だ。

 様子が違ったのは豊洲移転の経緯を説明するくだりだった。石原氏の体力を考慮してという理由で、あらかじめ用意された文章をスタッフが代読したが、冒頭の発言を言葉通り受けとめれば、石原氏は平仮名を「読む」ことができないのだ。

コメント13件コメント/レビュー

この記事はシリーズで続くのでしょうか? 今回だけですと、タイトルと内容が不一致で違和感を覚えます。石原元知事を援護弁護なさるのであれば、記事の展開をお待ちします。個人的には石原氏は信用できないと思っておりますが。
脳梗塞の経験者でも医療の専門家でも無くましてや読解力も無い人間が平然と上記の様な発言が
出来る今の社会は本当に恐ろしいと思います。
当方一昨年脳梗塞を経験し、現在は会社に復帰しておりますが、計算・記憶等の仕事への対応で困ることは何もないのですが、ただ一つ(時間の感覚)が戻っておりません。一番困るのがやたらと電車
を乗り過ごしてしまうことです。大手町に到着したことを確認し、九段下まで後10分程度だと
認識するのですが、何故か九段下で降りられません。復帰直後は50%程度の確率で次の飯田橋まで行ってしまっていました飯田橋より先に行くことは極稀なのですが。今では、10%程度となりましたので、遅刻の回数は激減しましたが。出社してから、今日は14時から会議だと認識し、13時50分に後10分で会議だ、と認識しても14時に同僚から会議だぞと促されるまで会議室に移動できないという始末です。(2017/11/10 12:06)

「財部誠一 脳梗塞からの帰還」のバックナンバー

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「石原元知事「脳梗塞で平仮名すら忘れた」の衝撃」の著者

財部 誠一

財部 誠一(たからべ・せいいち)

経済ジャーナリスト

1980年、慶應義塾大学を卒業し野村證券入社。出版社勤務を経て、1986年からフリーランスジャーナリスト。BSイレブンの「財部誠一の『異見拝察』」などTVやラジオで幅広く活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事はシリーズで続くのでしょうか? 今回だけですと、タイトルと内容が不一致で違和感を覚えます。石原元知事を援護弁護なさるのであれば、記事の展開をお待ちします。個人的には石原氏は信用できないと思っておりますが。
脳梗塞の経験者でも医療の専門家でも無くましてや読解力も無い人間が平然と上記の様な発言が
出来る今の社会は本当に恐ろしいと思います。
当方一昨年脳梗塞を経験し、現在は会社に復帰しておりますが、計算・記憶等の仕事への対応で困ることは何もないのですが、ただ一つ(時間の感覚)が戻っておりません。一番困るのがやたらと電車
を乗り過ごしてしまうことです。大手町に到着したことを確認し、九段下まで後10分程度だと
認識するのですが、何故か九段下で降りられません。復帰直後は50%程度の確率で次の飯田橋まで行ってしまっていました飯田橋より先に行くことは極稀なのですが。今では、10%程度となりましたので、遅刻の回数は激減しましたが。出社してから、今日は14時から会議だと認識し、13時50分に後10分で会議だ、と認識しても14時に同僚から会議だぞと促されるまで会議室に移動できないという始末です。(2017/11/10 12:06)

冷徹な意思を保ちつつ、合理的な方策をもってリハビリに没頭され、障害の克服のために勇気を持って闘われた筆者に最大限の敬意を表したいと思います。大変参考になりました。
一点だけ訂正を。「言語療法士」と書かれていますが、「言語聴覚士」です。(2017/05/31 16:31)

脳には運動、感情、記憶、情報処理など様々な機能があります。そして、それぞれ脳のどこで行われているか分かれています。従って、脳梗塞や脳出血などで、脳のどこがどの程度障害されたかで、どういった後遺症がどれぐらいの強さで出るかが変わってきます。極々簡単に説明するとこんな感じです。

ですので、どなたかのコメントの返答となりますが、闘争心が損なわれなくても平仮名が読めなくなるということは十分有り得ますし、なんら不思議なことではないのです。

そして恐らく財部氏は、脳梗塞を含めた脳の病気により生じる高次脳機能障害について、そして実際にそういった障害を患っている方がいるという事実を知ってもらいたいという想いなのではないでしょうか?擁護云々という話ではないような気がします。(2017/05/29 02:44)

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川野 幸夫 ヤオコー会長