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後遺症で「箸の持ち方」も分からず驚愕した

リハビリは脳に「思い出させる」ためのトレーニング

2017年8月18日(金)

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 たとえばこういうことだ。

 私は右利きだから、物心ついたときから箸は右手で持つ。だが脳梗塞の後遺症で右手が自由に動かない。そこで食事の際、自主トレを兼ねて右手で箸を使うトレーニングを入院中に始めて、びっくり仰天したことがある。

 なんと箸の持ち方が分からなくなってしまった。2本の箸を、どの指で、どう持ったらいいのか。それがわからないのだ。これには驚いた。指先が物理的に動きにくいだけなく、箸を持つという動作を脳が完全に忘れてしまっていた。

2本の箸を、どの指で、どう持ったらいいのか。それがわからない。(写真:PIXTA)

左手で箸の持ち方を確認してから、 右手に握らせた

 では普段まったく箸を握ったことのない左手はどうか。

 これが、出来るのだ。経験値がないから、上手くはいかないが、脳は左手には明快な指令を送ってくる。この左右差こそが脳梗塞の麻痺を理解してもらう格好の事例と言えるだろう。

 だから私は、食事のたびに、左手で箸の持ち方を確認してから、 1本ずつ右手に握らせて脳に刺激を送り続けた。

 じつは万事がこの調子で、肩甲骨から指先まで右腕全体が物理的に動かないだけではなく、動かし方がわからなくなっているのだ。だから作業療法で右手のリハビリをする時には、私はまず左手で動作を認識し、そのイメージを右手で再現することを意識しながらやってきた。左手が常に右手の道先案内役なのである。

「左手リードのイメトレ」を今も継続

 脳梗塞の発症から2年半が過ぎた今でも、私は左手リードのイメージトレーニングを継続している。初台リハビリテーション病院に入院していた頃とは比較にならないほど右手も回復したが、日常生活の中で右手の動作に不自由を感じたときには、まず左手を動かす。それが習慣化している。

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「財部誠一 脳梗塞からの帰還」のバックナンバー

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「後遺症で「箸の持ち方」も分からず驚愕した」の著者

財部 誠一

財部 誠一(たからべ・せいいち)

経済ジャーナリスト

1980年、慶應義塾大学を卒業し野村證券入社。出版社勤務を経て、1986年からフリーランスジャーナリスト。BSイレブンの「財部誠一の『異見拝察』」などTVやラジオで幅広く活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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