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建築はチームでつくる時代に

大成建設・梓設計 トップインタビュー

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2016年6月27日(月)

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 新国立競技場は、やり直しコンペの結果、大成建設、梓設計、隈研吾建築都市設計事務所の3者によるジョイントベンチャーの整備計画が選ばれました。短いスケジュール、周囲の環境との問題、そして世界に向けて何を発信するのか。大きな注目がプロジェクトに集まっています。
 1964年の東京オリンピックのメインスタジアムだった旧国立競技場を施工した大成建設。そしてスポーツ施設の設計の経験が豊富な梓設計。それぞれ山内隆司会長、杉谷文彦社長に話を聞きました。

(聞き手=日経BP出版局)

1964年の東京オリンピックのメインスタジアムとなった旧国立競技場の施工は大成建設でした。

山内:オリンピックという晴れ舞台のメイン会場を施工することは、建築を生業とする者にとって大変誇らしいことです。先輩が手掛けた仕事を50~60年ぶりに引き継いでやりたいという気持ちは当初から強く持っていました。前の国立競技場は、私が入社する前の施工でしたが、大変な突貫工事で、わずか14カ月という工期で完成したと聞いています。

 当時は、昼も夜も問わず、土日も返上しての突貫工事がゆるされましたが、今ですと、都心のあの場所で、夜間や休日に振動騒音を伴う工事ができるとは思えません。1964年のときは、アジアで初めてオリンピックが開催されるということで、国をあげてバックアップしようという気運があったわけです。

山内隆司(やまうち・たかし)
大成建設株式会社代表取締役会長。1946年生まれ。1969年に東京大学工学部建築学科を卒業。大成建設に入社。関東支店長、建築本部長、建築総本部長などを経て、2007年に代表取締役社長、2015年から現職。

今回のやり直しコンペでは、設計・施工一括方式になりました。

山内:我々はザハ案の旧整備計画では、スタジアムのスタンド部分の技術提案者として参加していました。白紙撤回になったときは驚きましたが、そのときはもう、やり直すにはギリギリのタイミングだったと思っています。つまり、新たな案をコンペで募り、その実施設計が終わってから施工の見積もりを取っていては間に合わない。だからこそ、設計・施工一括となったのでしょう。

新国立のプロジェクトは、「コンクリートの時代から木の時代へと移行する転換点」になるでしょうか。

山内:1964年のオリンピックのときは、コンクリートを前面に押し出した建築が多かったような気がします。一方、今回のやり直しコンペでは、フタを開けてみると対案のB案も「木の建築」でしたね。木を使った建築がいい、というのは急に始まった風潮ではありません。木材を使う部分については、コンペの審査員からもかなり質問があり、何年持つんだ、燃えやすいんじゃないか、などと聞かれました。基本的に屋根がかかっているところで木材を使いますし、不燃化などの加工をいろいろしていると答えました。今では木材の欠点をカバーできる技術ができていて、構造材としても使えるんです。

 新国立は、国産の杉や唐松を使います。これはかつて、国会議事堂を建てるときに日本中から石材を取り寄せたことにも通じます。たとえば、屋根部材は、木と鉄をハイブリッドにして構造物を作ります。断面とパターンはすべて同じにして、それを工場で大量に作り、ある程度まで組み立てから現地へ持ってきて、取り付けていく。こうすれば、コストの面でも工期の面でもメリットが大きい。

「ユニットバス」に匹敵する技術革新を

1964年のオリンピックのときに大成建設が施工した「ホテルニューオータニ」では、世界で初めて「ユニットバス」が導入されました。

山内:ホテルニューオータニは、着工が1963年4月ですから、何しろ時間がないわけです。ご存じのように、それまで浴室といえば、1枚1枚タイルを貼って、そこにバスタブを置いて、というホテルの工程の中で最も手間がかかるところでした。それをTOTOさんと共同でユニットバスを開発して、工場で組み立てたものを持ってきて取り付ける方式にしたのです。

 ほかにも工期短縮のための技術革新がありました。その一つが、外壁の「カーテンウォール」です。それまでは、コンクリートの壁にタイルなどを貼った外装だったんですが、不二サッシさんに金属製のサッシを作ってもらい、工場でガラスまではめ込んだ状態にして、現地に運んで組み立てたのです。これらの技術は、短い工期を達成するために工夫して考えついたものです。ですから今回も、後世に残るような技術を開発できるようがんばりたいですね。

新国立競技場では、工期短縮のためにどのような工夫をされるのでしょうか。

山内:2016年11月までに実施設計を終え、12月には着工します。設計チームには当社から40~50人が参加しますが、そこにさらに、施工チームの50~60人も投入します。つまり、設計の段階で施工のしやすさや調達をなるべく考慮したり、調達を視野に入れたりすることで、全体のスピードアップを図ります。

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