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おとうふ社長がつかんだビッグな出会い

相模屋食料・鳥越淳司社長(第1回)

2016年5月31日(火)

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「だいずオリジン」発足発表の記者会見でスピーチする相模屋食料鳥越淳司社長。奥に座るのは大手油脂メーカー、不二製油の清水洋史社長。

 決して大きなニュースになったわけではないが、2015年12月に、今後の豆腐の市場を一変させる可能性がある「だいずオリジン」という会社が発足した。

 「ちょっと待ってください。私、豆腐ではなく“おとうふ”と呼びたいのですが」

 …読者の方には違和感があるかもしれないが、ここは主人公の気持ちに従おう。ご了承頂きたい。ではもう一度。

 決して大きなニュースになったわけではないが、2015年12月に、今後のおとうふの市場を一変させる可能性がある「だいずオリジン」という会社が発足した。

 二社の合弁による設立で、片方は、パン、お菓子、チョコレートなどの原材料を扱う大手メーカー、不二製油。もう片方は、ここ10年で売り上げを5倍に伸ばした群馬県のとうふメーカー、相模屋食料だ。直近の年商は約200億円。

 発端は、不二製油が豆乳の脂肪(クリーム)分と、それ以外の成分との分離に成功したことにあった(2012年に特許取得)。ちなみに牛乳は、古来より脂肪とそれ以外とを分離できたから、低脂肪の部分は脱脂粉乳等に、乳脂肪分はバターやホイップクリームに加工するなど幅広い使い道があった。しかし豆乳はそれができなかった。不二製油が長期間研究を重ね、ようやく可能にした技術だ。

 同社はこの技術をUSS(Ultra Soy Separation)と名付け、世界特許を取得した。そして、脂肪分を分離した豆乳は「低脂肪豆乳」として乳業の企業に売り出すことに決めた。

 では、脂肪分はどうするのか。

不二製油が相模屋食料と組んだ理由

 これがあれば、今まで存在しなかった「豆乳のバター」や「豆乳のクリーム」をつくれるようになるはずだ。しかし不二製油はBtoBの企業だけに、具体的に商品化してくれる企業を必要としていた。そこで同社が、おとうふ業界で真っ先に相談したのが、群馬県に本拠を置く相模屋食料だった。

 相模屋・鳥越淳司社長が話す。

 「その結果、できたのが『マスカルポーネのようなナチュラルとうふ』です。豆乳だけでなく、USSによってできた豆乳のクリーム分を加えてつくっています」

「マスカルポーネのようなナチュラルとうふ」

 商品名の通り、おとうふの旨みを凝縮したような、濃厚な味がする。しかも鳥越は、これを単なる「濃厚豆腐」として売るのではなく、「女性向けのおとうふ」として商品化した。市販のプリンのように、カップを手に持って食べられるし、カップから出して、オリーブオイルをかけて食べてもいい。同シリーズの「プレミアム」は、ハチミツをかける。

縦型容器の「ナチュラルとうふプレミアム」。おとうふを“どこでも食べられる”画期的な製品だ。

 この商品は、2014年8月に発売を開始。「東京ガールズコレクション」などで、モデルがおとうふを持ってランウェイを歩く、などの仕掛けも功を奏してすっかり定番化した。売り上げは、初年度5億円。これは、中堅のおとうふメーカー1社分ほどの売り上げだ。

 なぜ不二製油は、数あるおとうふメーカーの中でも相模屋と組んだのか。

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「おとうふ社長がつかんだビッグな出会い」の著者

夏目 幸明

夏目 幸明(なつめ・ゆきあき)

企業ジャーナリスト

1972年生まれ。愛知県出身。早稲田大学卒業後、広告代理店入社。退職後、ビジネス系の記事を中心に経済ジャーナリストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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