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「今」「目の前」のやつに決めちゃいましょう

相模屋食料・鳥越淳司社長(第5回)

2016年9月23日(金)

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(前回から読む

 マーケティングの常道のひとつに「ターゲットセグメンテーション」がある。仮にうどんとそばの店に「ラーメンも自慢です」と書いてあったら食指をそそられるだろうか? 逆に「当店は手打ちそば一本勝負!」くらいこだわっているほうが魅力的だ。このように、ターゲットを定め、リソースを「集中」させることは、古来より戦いの常道でもある。敵が1000人、味方が500人だったとしても、敵が3地域に分散していれば、各個撃破できる。

 実は、人生も同じで、エネルギーの分散は避けるべきなのかもしれない。鳥越が話す。

「ある講演会で20代前半の若者に『将来何になろうか、いまいろいろ探しているからアドバイスがほしい』と言われたことがあります」

 若者は「将来この市場が伸びるよ」といった話を期待していただろう。でも、鳥越の言葉を聞いてひっくり返りそうになったに違いない。

「『いま目の前にあるものに決めたら?』と言ったんです (笑)。迷う時間ももったいないし、『本当にこれでいいんだろうか?』と考える意味なんてない。何かを選んで『これだ!』と決め、そこから広げていくことのほうが大事なんです。選択肢なんか、“なくてたくさん”なんですよ(笑)」

アームロボットがおとうふにパックをかぶせる

『私は、ここで生きていく』と決めたから生き残れる

 鳥越は、前回書いたとおり相模屋食料の看板娘と結婚した。義父・義母に「結婚式のご提案」という企画書をつくって、写真週刊誌に似せた冊子もつくった、妻に義父の写真を借り、麻雀で貴重な牌を持ってきた瞬間を描いた。手が込んでいて、ユーモアがあって、かつ有無を言わさぬ提案をするあたりが鳥越らしい。

 しかし重要なことが棚上げにもなっていた。鳥越は、相模屋を継ぐのだろうか?

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「「今」「目の前」のやつに決めちゃいましょう」の著者

夏目 幸明

夏目 幸明(なつめ・ゆきあき)

企業ジャーナリスト

1972年生まれ。愛知県出身。早稲田大学卒業後、広告代理店入社。退職後、ビジネス系の記事を中心に経済ジャーナリストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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