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シン・ゴジラに見るテレビと映画の微妙な関係

2016年9月20日(火)

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日経ビジネスオンラインでは、各界のキーパーソンや人気連載陣に「シン・ゴジラ」を読み解いてもらうキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を展開しています。
※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。

 「シン・ゴジラ」の想定外ともいえるヒットは、かつて、やはり予想外の大ヒット作となり、業界の常識を変えた「踊る大捜査線 the Movie」を思い起こさせる――。映画、テレビ、ネットで映像コンテンツに関わり続けてきた境治氏が、この作品が映画ビジネスに与える影響を語る。

 日本の映画ビジネスを変えた!映画界の変わり目はあの作品だった! そう言える作品はいくつかあると思う。「シン・ゴジラ」は、十数年後に振り返っても、「あそこで何かが変わったよね」と言われる映画になるのではないか…

 などと大袈裟に言うわりに、私は正直、「シン・ゴジラ」にほとんど期待していなかった。生まれて初めて映画館で見た実写映画が1971年の「ゴジラ対ヘドラ」で、ゴジラには思い入れはあるものの、子ども心にもゴジラは子どもっぽく、ある時期からもう見なくなった。シリーズを止め、復活を2回繰り返した時も、見ようと思えなかった。

境 治(さかい・おさむ)

コピーライター/クリエイティブディレクター/メディア戦略家
1962年福岡市生まれ。東京大学文学部を卒業後、1987年、広告代理店I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターとなる。1992年、日本テレビ巨人戦中継”劇空間プロ野球”の新聞広告「巨人を観ずに、めしが食えるか。」でTCC(Tokyo Copywriters Club)新人賞を受賞。翌年独立し、フリーランスとしてCM・ポスターなどの制作に携わり、トヨタ、JR、日立製作所、フジテレビなど多方面のスポンサーを担当してきた。2006年、長年つきあっていた株式会社ロボットの経営企画室長に任じられ、プロダクション経営の制度再構築を担う。2011年からは株式会社ビデオプロモーションでコミュニケーションデザイン室長。2013年7月から、再びフリーランスに。サイトはこちら、近著に『拡張するテレビ 広告と動画とコンテンツビジネスの未来』。ウェブマガジン「MediaBorder」はこちらから

 「シン・ゴジラ」は、エヴァンゲリオンの庵野秀明氏が総監督と発表されたことで、かえって「かなり独特のゴジラ映画になりそうだ。あまりイメージが変わっちゃうのなら、見たくないな」と思っていた。

 ところが7月29日の公開翌日、30日の朝Twitterを眺めると、初日に「シン・ゴジラ」を見た人びとが興奮したつぶやきを並べ立てている。ただならぬ雰囲気を感じとって、すぐさま映画館に駆けつけて、2時間後には、自分の先入観を超えた作品のパワーに打ちひしがれていた。「こんなゴジラもありなんだ!」その後、1か月が過ぎても頭の中の3割が「シン・ゴジラ」に支配され、9月15日の「発声可能上映」にも参加してしまった。

 おそらく、ここまでのヒットは誰も予測していなかっただろう。エヴァンゲリオン世代の30代は「庵野はゴジラをやってる場合か」と不満を募らせ、私のようなオールドゴジラ世代は「庵野が撮るゴジラなんて」と侮っていた。フタを開ければ60億を超えるメガヒットだ。

誰も想像できなかった

 誰も想像できなかった興行成績と言えば、思い出す作品がある。1998年公開の「踊る大捜査線 the Movie」だ。

 あの時も、誰もあそこまでのヒットを予測できていなかった。その前に、当時は、そもそも実写の日本映画がハリウッド映画を凌駕する興行成績を上げるなんて考えられなかった。私はコピーライターとしてポスター制作などで映画界を外側から見ていたが、「もう日本での映画づくりはなくなってしまうのではないか」とさえ危惧していた。

 若者たちからは、「日本映画はダサくて暗い」と思われていて、デートのネタにもならない。興行面でも、「Shall We ダンス?」や「失楽園」が宝くじが当たるように偶然ヒットしたが、それも配給収入が10億~20億円台(いまの興行収入と比べるには2倍すればほぼ正しい)で、他のあまたの作品は惨憺たる成績。「作っても損するだけなのだから作らなければいいのに」と外から見て勝手に思っていた。

 テレビドラマで人気だった「踊る大捜査線」の映画化に、当たるんじゃないか、当たるといいな、と映画界は期待した。それはあくまで「Shall We ダンス?」や「失楽園」のようにという意味で、配給収入が20億円に届けば万万歳というものだった。

 ところが公開初日。映画館に行列ができていた。それも若い人が多い。

コメント3件コメント/レビュー

私もこの映画を見ましたが、普通の怪獣映画です。失礼ながら、並みの出来の映画ではないでしょうか。なぜこれほどまで多くの人がこの映画を絶賛するのか、私は理解に苦しみます。
この騒ぎようも映画宣伝のいち手段かなと、思えば納得がいきます。もっとも、この映画製作に携わった方々には敬意を表しますがね。(2016/09/20 13:38)

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いただいたコメント

私もこの映画を見ましたが、普通の怪獣映画です。失礼ながら、並みの出来の映画ではないでしょうか。なぜこれほどまで多くの人がこの映画を絶賛するのか、私は理解に苦しみます。
この騒ぎようも映画宣伝のいち手段かなと、思えば納得がいきます。もっとも、この映画製作に携わった方々には敬意を表しますがね。(2016/09/20 13:38)

シンゴジラの続編が作られるとして、従来の芸能事務所ゴリ推しキャスティングの影が見えたら、自分は行かないでしょうね。そもそも若者向けのアイドル映画なら構わないが、テレビドラマでもどうか、というレベルの演技を2時間近く見せられる観客の気持ちを配給会社には汲み取って頂きたい。もちろん、役に合ってない外国映画とアニメの吹替えもだぞ!(2016/09/20 11:00)

メディアに詳しい識者としてのご意見は説得力に富んでおり、しかも、数十年のスパンでの分析は、他では観られないものです 感銘を受けました

ただ、私個人としては、テレビや映画に興味が無いのです その主な理由は、日本で制作されたものはあくまでもドメスティックなコンテンツ(アニメは除きますが)で有りすぎるからです あれほど激賞された「キャタピラー」の醜悪さは、観ていて飛ばしまくっても、最後まで観る気が起こりませんでした

韓国の国家戦略の一つが、国際競争力を持つ映画、エンターテイメントビジネスでした 今でも、韓流は根強く、しかも、言語は韓国の言葉のままです 米国では吹き替えされていると思いますが、何れにしてもたいしたものだったと思います 今は、どうなっているかは知りませんし、興味もありませんが

日本のコンテンツが、各映画祭で注目を浴びるのに、興行的に成功しないのは何故なのか 知識も興味も無いため、自説を持ちませんが

今後、日本の実写(別にアニメでも良いのですが)映画が発展・維持できるには、国内市場の成長が望めない以上、海外市場へのシフトを本気で考えないと、プレーヤーの数が減らざるを得なくなると思います

特に、CM収入が減っているテレビ会社は、興業という投機性の高いビジネスから退き気味になる可能性も高いでしょう(事情に通じてないので、間違いかも知れませんが)

映画自体は、映画館で観ている人の数と、TVやデバイスで観ている(私は、PCやタブレットで観ます)人数の比率が、今後は、後者が増える、つまり、興行成績では無く、再販による収益の占める割合が増えてしまう可能性は高いはずです 人口が集中している、映画館が存在している町の人口も、特に、映画館に行く年齢層は減っているからです

他の国の人が観たいと思う映画を含めたコンテンツ作成、なんとか、生き残りのために、ここを突破してくれることを期待します(2016/09/20 09:17)

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