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立川の内閣府災害対策本部予備施設に行ってみた

2016年9月27日(火)

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日経ビジネスオンラインでは、各界のキーパーソンや人気連載陣に「シン・ゴジラ」を読み解いてもらうキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を展開しています。
※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。

 映画「シン・ゴジラ」で、ゴジラによって首相官邸や都内中心部が壊滅状態に陥った後、矢口蘭堂内閣官房副長官(長谷川博己)らが拠点を移した先が東京都西部に位置する立川市だった。立川には実際に、内閣総理大臣を本部長とする「緊急災害対策本部」が設置可能な災害対策予備施設がある。

劇中に登場した「緊急災害対策本部」。(©2016 TOHO CO.,LTD.)

 矢口に対して、竹野内豊演じる赤坂秀樹・内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)から建物の屋上で「国連による核を使ったゴジラの駆除作戦」が伝えられたシーン。それも緊急災害対策本部予備施設庁舎の屋上での撮影だった。

 ゴジラ上陸という虚構を通して有事の対応をリアルに描いたシン・ゴジラ。実際の備えはどのようなものなのか。立川の内閣府緊急災害対策本部予備施設を訪ねてみた。

立川でタクシードライバー歴20年のベテランも知らなかった

 JR立川駅の北口を出て、タクシーに乗って運転手に行き先を告げた。

 「内閣府の『災害対策本部予備施設』へお願いします」

 運転手は数秒黙り込み、「そんなのここにあるんですか」と返してきた。立川近辺でタクシーのドライバー歴が20年というベテランでも知らない存在のようだ。

 立川駅の北側で一般に馴染みがある存在といえば、「昭和記念公園」だろう。最近は人気の家具屋「IKEA」や「ららぽーと立川立飛」などの商業施設もあり、週末には家族連れでにぎわう街となっている。そんなのどかな光景のすぐ近くに災害対策本部予備施設がある。

 思わず通り過ぎてしまいそうな地味な正門から入る。施設を案内をしてくれたのは、内閣府の政策統括官(防災担当)付 参事官(事業推進担当)付 参事官補佐(防災拠点施設担当)の柳紀昌氏と、同防災拠点施設担当主査の本田充氏だ。

 最初に取材を申し込んだ際には「一般に公開する施設ではないので…」と担当者は少し困惑していたが、シン・ゴジラによって世間が注目していることもあり、特別に取材対応してもらった。

 災害対策本部予備施設と同じ敷地内には、警視庁、東京消防庁、海上保安庁の拠点が存在する。また、東隣には災害医療センター、西には陸上自衛隊の駐屯地とその滑走路があり、近隣には災害時の職員宿舎もある。施設の集結ぶりを見るだけでも、立川が災害時の拠点として位置付けられているのがよく分かる。

 この地の歴史を見てみよう。広域防災基地は、太平洋戦争の戦時中には陸軍が飛行場として使用していた。戦後は連合軍に接収され、米空軍が使用した。1970年には、自衛隊による滑走路の共同使用が認められるようになり、日本へ返還されたのは戦後32年経った1977年のことだった。

 返還後の利用について、政府は大規模な公園と防災拠点にするとし、昭和記念公園と広域防災基地が整備された。その1つが災害対策本部予備施設だ。

 そもそも、災害対策本部予備施設とは何なのか。

 「緊急災害対策本部が設置可能な施設で、有事への備えです」(柳さん)

 有事には緊急災害対策本部が設置される。原則、首相官邸に設置されるが、今回のゴジラの襲撃のように、官邸が使えない事態が発生すると移設されることになっている。立川はそれに備えた施設だ。

 ただし、首相官邸が使用不能になった場合、すぐに立川へ移るのかというと、そうではない。

 「首相官邸の次は内閣府が入る霞ヶ関の中央合同庁舎8号館に設置され、そこもダメなら市ヶ谷の防衛省になります。防衛省もダメになった場合、立川に緊急災害対策本部が設置されます」(柳氏)

 なんと!

 官邸の予備(内閣府)の予備(防衛省)の予備(立川)ということだ。劇中、ゴジラの猛威で都心は壊滅状態に陥った。立川に移ったということは、いわゆる「内閣総辞職ビーム」によって、首相官邸はもちろん、内閣府も防衛省も壊されてしまったのだろう。

 都心から30km離れており、比較的地盤の良い立川に予備施設があれば、首相官邸や内閣府、防衛省とともに、すべての拠点が同時に壊滅するリスクは少ない。どこかが残るという計算だ。ちなみに、都心3拠点と立川のすべてが使えなくなった場合の緊急災害対策本部の予備設備は「ほかにない」という。

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「立川の内閣府災害対策本部予備施設に行ってみた」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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