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米中韓の映像翻訳者「シン・ゴジラ」に挑む!

「無人在来線爆弾」の真意を翻訳せよ

  • 新楽 直樹

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2016年9月30日(金)

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日経ビジネスオンラインでは、各界のキーパーソンや人気連載陣に「シン・ゴジラ」を読み解いてもらうキャンペーン「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」を展開しています。
※この記事には映画「シン・ゴジラ」の内容に関する記述が含まれています。

 盛り上がりは国境を越えて世界に広がっていくのか――。

 台湾やシンガポールなどに続き、10月中旬からは北米での公開が予定されている「シン・ゴジラ」。これまで「Godzilla Resurgence」(ゴジラ、復活)とされていた英語タイトルは、日本での予想以上のヒットの余韻を生かすかたちで「Shin Godzilla」に決まった。米国では400を超えるスクリーンで英語字幕版(音声は日本語のまま)が上映される予定だ(米国の配給会社の公式サイトはこちら)。

 こうなると海外での反応が気になるところだ。ネット上には既に、試写に足を運んだ映画評論家や熱心なファンによる意見や感想が飛び交っている。絶賛する声が上がる一方で、「無駄な会話が多い」「政治家や官僚のセリフが意味不明」「ゴジラが映っているシーンが少なくてガッカリ」など、ネガティブな反応が目立つ。この国に巻き起った“熱病”には、海を渡って感染するだけの力がないのだろうか。

「シン・ゴジラ」は日本人だけに面白いのか? そんなはずはない

 海外の冷めた反応に「むしろそこが魅力なのに、わかってないなぁ」と突っ込みを入れたくなる人はいるだろう。「そんな反応は想定内。海外でハマるのは日本好きの外国人だけ」と、ハナから諦めの境地に達していた人もいるだろう。しかし、それでは悔しいし、あまりにももったいない。シン・ゴジラが巻き起こしてくれたこの国の熱狂を、世界中のファンに感染させて、感動を共有できたらどんなに楽しいだろう。

 それを阻む“壁”があるとしたら、その正体は何なのか? 突破口はないのか? 映画の字幕、吹き替え翻訳(濱口竜介監督作品「ハッピーアワー」、刑事ドラマ「相棒」シリーズの英語字幕他多数)、2014年のポール・マッカートニー来日公演における「リアルタイム字幕」(アドリブを含むポールのトークを瞬時に和訳してスクリーンに映し出す、世界的にも珍しい技術)など、「映像翻訳」というビジネスに20年間関わってきた経験を基に、考えてみたい。

新楽 直樹(にいら・なおき) 日本映像翻訳アカデミー代表取締役。雑誌や書籍の企画・編集・執筆業を経て、1996年、日本映像翻訳アカデミーを創設。東京と米国ロサンゼルスを拠点に、映画やテレビドラマ、ニュース・ドキュメンタリー・スポーツ番組など、動画の字幕・吹き替え翻訳に特化した翻訳事業・職業訓練事業を展開している。

米国人、中国人、韓国人の映像翻訳者はどう観たのか?

 映像翻訳事業を行う弊社には、日本の映画やテレビドラマ、ドキュメンタリー番組などを外国語の字幕や吹き替えに翻訳するプロが多数所属している。そこで今回、米国人映像翻訳者(日⇒英)のジェシー・ナスさん、中国人映像翻訳者(日⇒中)の李寧さん、韓国人映像翻訳者(日⇒韓、英)のパク・ソンジュンさんの3人を劇場に誘い、自分が自国語の字幕翻訳を手掛けることを想像して観てほしいと頼んだ。なお、念のためにお断りしておくと、現時点で弊社及び所属する映像翻訳者は「シン・ゴジラ」の翻訳事業には関わっていない。あくまで、一ファンの思い入れとしてやらせていただいたことをご了解いただきたい。

 私は3回目、パクさんは2回目、米・中の2人は初鑑賞だという。まずはナスさんに感想を聞いてみよう。彼女はNHK大河ドラマ「真田丸」の公式英語ホームページで動画や解説文の英語訳を手掛けた経験を持っている。

 「う~ん、そうですねえ…ハリウッド映画のわかりやすさや“親切さ”が身体に染み付いたアメリカの観客にとって、会議のシーンでの大量のセリフやテロップ(画面に表示される文字)をそのまま訳して見せたとしたら、ストレス以外の何物でもないでしょう」と、のっけから悲観的だ。

コメント21件コメント/レビュー

 コンテクスト、要は「文化的な背景」って大事ですね。
 アメリカ映画を観てもFBIやホワイトハウスや、100歩譲ってプロム文化は知っていても、TVバラエティの流行とかは全く知りません。 だからコメディの要素が強くなると色々ハテナ??になってしまいます。 新作の『ゴーストバスターズ』も、おそらく出演者たちは日本語吹替を担当した友近さんのような人達なんだろうけれど…知らない。 たぶん今、何かアメリカ人には判るネタをやっているっぽいぞと、アンテナは反応するんだけど、残念なことにそこで笑えるほどの“教養”がない。
 だからってコメディの輸入をあきらめて欲しくはないし、意訳にも果敢に挑戦してほしいと思っています。 誇大妄想を言えばそうやって互いに「文化的な背景」を理解し合うことで寛容の心が育てば、映画は世界平和につながるんです。(2016/10/05 15:34)

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 コンテクスト、要は「文化的な背景」って大事ですね。
 アメリカ映画を観てもFBIやホワイトハウスや、100歩譲ってプロム文化は知っていても、TVバラエティの流行とかは全く知りません。 だからコメディの要素が強くなると色々ハテナ??になってしまいます。 新作の『ゴーストバスターズ』も、おそらく出演者たちは日本語吹替を担当した友近さんのような人達なんだろうけれど…知らない。 たぶん今、何かアメリカ人には判るネタをやっているっぽいぞと、アンテナは反応するんだけど、残念なことにそこで笑えるほどの“教養”がない。
 だからってコメディの輸入をあきらめて欲しくはないし、意訳にも果敢に挑戦してほしいと思っています。 誇大妄想を言えばそうやって互いに「文化的な背景」を理解し合うことで寛容の心が育てば、映画は世界平和につながるんです。(2016/10/05 15:34)

会議が身の無い結論に終始するのは、ポンコツなメンバーがダメダメな議論に血道を上げているから、と言う風に描かれてますが、現実には仕事のできる一線級の人材がこぞってハイレベルな議論を繰り広げているのにもかかわらず、最終的に低次元の結末に収れんする事がそこかしこで起きていると言う事ではないかな。おマヌケな意見は簡単に喝破されてしまうが、それが叶わぬ(一見)正しくもっともらしい議論が精力的に進められて、誰もが納得した形でまとまりを見るのだが、第三者が見たら目も当てられないような結末がもたらされるのが大問題なのだ。小学校の学級会なら、大臣が総理に怒鳴ったように、出来る子が甘ちゃんを一喝すれば済むが、現実社会の会議室でそんな事は起こってない。みんな真剣に、精一杯議論を尽くしているのだが、終わってみればトンチンカン。この辺りまで描き出してほしかったね。(2016/10/03 11:44)

翻訳の妙でウケルというのは映画そのもの価値ではないでしょう。それが許されたら、元の映画の脚本が洗練されていなかったということ。「上を向いて歩こう」がSukiyakiになっても売れたけど、あれは坂本九の歌がそのままアメリカのラジオで流れて、訳が判らないけど流行したからDJが勝手にSukiyakiと名づけただけ。内容を変えようという翻訳家とは全く違う。それってどうなんでしょう?(2016/10/03 08:17)

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