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マーケティングのデジタル化は、経営者の問題

「デジマ」を「出島」にしないために

2016年9月13日(火)

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「デジタルをやっているか」などと、現場に呑気に問うている場合ではない。社長が自社にとっての「デジタル・トランスフォーメーション」(デジタル変革)とは何かを宣言しなければならない時代になっている。

 筆者はデジタルマーケティングに関わる組織コンサルや人材育成コンサルをしているが、最近とみに、「デジタルマーケティング本部を作りたい」といった話を聞くようになった。昨今のデジタルテクノロジーへの対応が発端になっているようだ。

 デジタルに関しては、やや特殊なスキルや知識が求められるため、専門の部署を作らねばならないという発想であろう。デジタルについて、社内の人材では対応できないという妙なコンプレックスがあるようにも感じる。そのため、社外から人を採用して「外人部隊」で組織を編成しようと考える企業も多い。

 こうした経緯で設置された「デジタルマーケティング本部」のことを、私は「出島」と呼んでいる。デジタルマーケティング本部、略して「デジマ」は、まさに江戸時代に長崎に設けられた出島のような存在に見えるからである。デジタルという「エイリアン」のようなものと接する場所を一部の組織・エリアに限定して、本丸であるマーケティング組織は従来のままでよい、と言っているように思える。

 これではだめだ。マーケティングの本流からデジタルを切り離す格好となり、肝心なところ(=本丸)はアナログなままになってしまうからだ。

デジタル専門組織を「出島」にしてはならない(画像:akg-images/アフロ)

 実際のところ、「デジタルマーケティングという特殊なマーケティング」が存在しているわけではない。デジタル社会の到来で、企業は、デジタルテクノロジーを駆使する組織になる「デジタル変革」(デジタル・トランスフォーメーション)が求められている。必要なのは、その企業にとって、マーケティングとは何かを再定義すること。そして、それを全社員で共有することであって、出島のような組織を設けることではない。

 筆者は『トリプルメディアマーケティング』(インプレスジャパン)という書籍で、「企業のマーケティングメディアを、POE(ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディア)に整理し直そう」と提唱した。

 「ペイドメディア」とは“買う”メディアであり、テレビCMや新聞・雑誌広告、ネット領域では Webサイトに掲載するバナー広告や、「Google」などで検索した時にキーワードに連動した広告を検索結果ページに表示する検索連動型広告などのことをいう。

 「オウンドメディア」とは、自社で“所有”するメディアのこと。自社で運営するコーポレートサイト、会員組織化されたメールマガジンなどが当てはまる。

 そして「アーンドメディア」は評判や信用を“得る”メディアを指す。ソーシャルメディアやクチコミサイトなどが該当する。

 このPOEの考え方は今や広く普及しているが、その延長線上で、マス・リアル(テレビなどのマス領域と非デジタルの領域)を対象としたマーケティングと、デジタルマーケティングとを分離することなどは、まったく念頭になかった。

現場主導のデジタル化はもはや限界

 デジタル化する必要があるのは、広告・マーケティングの本流、本丸であって、デジタルを専門部隊として切り離してしまうことは、マーケティングのデジタル化に、全くもってそぐわない発想である。

 どうして、こういう発想や行動になるのかと言うと、経営者がデジタル化の方針を示さずに、現場任せにしていることが大きい。

 日本の企業は現場の適応力が高い。Web施策やソーシャルメディアなどへの対応も、経営者が全くよく分からない中で、現場の人間が一生懸命に勉強して対応してきた。トップが言うのは、「うちはデジタルはやってるのか?」といった、「同業他社に遅れるのだけは困る」という投げかけだけである。

 そんな形で何年もやってきたが、もうそろそろ、現場が引っ張るのは限界にきている。これ以上、現場主導のデジタル対応が進めば、「部分最適」になり過ぎて、「全体最適」にとって逆効果になる。ここから先は、トップダウンがどうしても必要なのである。

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「マーケティングのデジタル化は、経営者の問題」の著者

横山 隆治

横山 隆治(よこやま・りゅうじ)

デジタルインテリジェンス代表取締役

インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。2010年9月、デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。2011年7月、デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長