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防衛装備国際化のカギ握る「NATOカタログ」

潜水艦の案件に関与した豪仏は「正会員」

2016年9月28日(水)

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 日本の防衛産業はこれまで、防衛装備を海外移転した経験に乏しい。今後、国際共同開発をスムーズに進めるには、商習慣や実務的な面でも様々な課題を乗り越える必要がある。その1つが「NATOカタログ」への対応だ。聞きなれない名称だが、実は防衛装備の国際標準といえるデータベース。未対応のままでは日本企業が国際マーケットに入っていくことは難しい。海外事情に詳しいデータクラフトの服部孝男社長に聞いた。(聞き手 寺井伸太郎)

NATOカタログの重要性を説くデータクラフトの服部孝男社長
早大卒。外資系企業などを経て、1984年にデータクラフトを設立。防衛装備関連の調査やコンサルティングなどを手掛ける。祖父は陸軍中将。漫画家の手塚治虫は父方のいとこにあたるという。

まず「NATOカタログ」の概要について教えてください。

服部:戦闘機などの防衛装備を構成するボルトやタイヤなど、詳細な部品レベルにまで至る広範な国際標準のデータベースシステムです。米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)加盟国から始まって、現在は主要63カ国(準加盟を含む)がその製品を登録。これまでに3000万~4000万点が登録されています。

どのような狙いでデータベース化しているのですか。

服部:各国はコスト削減のため、それぞれの判断のもと、装備の共通化を進めています。その前提として部品情報の共有化が必要になります。使用言語の異なる国々が膨大な部品情報を正確にやり取りするため、13ケタの固有番号を割り振って管理しています。具体的には生産国や使用国、スペックや技術情報などが掲載されています。

 装備を開発する時はもちろん、維持補修や共同行動する時の補給を円滑化するなど、業務全般を効率的に進める上で不可欠のインフラとして機能しています。いわばサプライチェーンを可視化したものと言えます。このため、NATOカタログに登録することは防衛装備を海外移転するのに必要な最低条件といえ、未対応のままだと防衛装備移転三原則が実をなさない可能性もあります。

Tier2国でなければ知的財産権を守れない

NATOカタログに対し、日本はどのようなスタンスでしょうか。

服部:今のところ日本は、データを参照することだけ可能な「Tier1(準加盟)国」にとどまっており、国産装備は基本的にNATOカタログに載っていません。

 Tier1国が自国の装備をNATOカタログに登録したい場合、「Tier2(本加盟)国」に依頼し、Tier2国を通じて登録してもらう必要があります。その過程で日本はTier2国から意図的に、必要以上に様々な技術情報の開示を強いられるかもしれません。こちらからお願いしてカタログに登録してもらう立場であるため、不慣れな企業の場合、弱みに付け込まれる可能性もあります。

 自国の技術情報を不用意に他国に開示することなく、対等の立場で国際マーケットに参入するため、Tier2国となることが極めて重要です。NATOカタログを採用する63カ国のうち、Tier2国は39カ国。日本が潜水艦の受注に失敗したオーストラリアも、これを受注したフランスもともにTier2国同士です。防衛装備品の海外移転を強化している韓国のほか、マレーシアやシンガポールなどもTier2国。実務を考えるのであれば、こうした実態を知っておくべきでしょう。

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「防衛装備国際化のカギ握る「NATOカタログ」」の著者

寺井 伸太郎

寺井 伸太郎(てらい・しんたろう)

日経ビジネス記者

2002年、慶応義塾大学を卒業し、日本経済新聞社に入社。東京や名古屋での企業担当などを経て、直近は決算を取材する証券部。15年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官