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アパレル企業を悩ませる“量産系女子”

「たくさんある服の中から、誰かに選んでもらいたい」

2017年6月19日(月)

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みんなが同じような洋服を着るようになっているのですか。

渡辺:「量産系女子」とも言われますが、思いっきり尖ったものを着る子は少なくなりましたね。1994年からストリートの定点観測をしていますが、今売っているものを今着る、というように変わっているので、その中でコーディネートすると、どうしてもみんな同じような格好になる。

 一方で、それが多様性の欠如には直結していません。本当はものすごく多様化しているのです。多様化しすぎていて、違いを比べた時に、その差が外部から見えなくなっているという感じです。

 湯上がりメイクが流行った時、学生を教壇から見ると、みんな湯上がりメイクをしているわけです。でも、ちょっとだけチークの場所が違ったり、色が違ったり、小さな個性があるんですよね。

 彼女たちは非常に自由で、何でも着ていいし、トレンドもたくさんあるという、豊富な選択肢が目の前に広がっている。それゆえに、よりどころを見つけづらくなり、自分で選ぶのが難しくなっている。だから無難なところで収まって、その中で小さな個性を演出するようになっているのだと思います。

洋服で「島」を作る時代は終わった

そうした変化にはどんな背景があるのでしょうか。

渡辺:2つの理由があると思っています。ファストファッションの登場とメディアの変化ですね。

 2008年に(スウェーデンのファストファッション)ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)が日本に上陸し、米国発のフォーエバー21もきて、ファストファッションが一大ブームとなりました。

 それまでのユニクロなどは安さのイメージが先行していましたが、H&Mなどのファストファッションは、そこにトレンドを持ち込んだ。目の前に安くて流行を取り入れた大量の服が現れた時、何を着るかよりも、どう着るかという“お作法”が重要になってきたのです。

 例えば今なら、シャツの前身頃を少しだけパンツに入れるとか幅広のデニムをスニーカーに合わせるとか、トレンドの“お作法”にフィットする商品が売っていれば、H&Mでもどこでもいい。

 ファッションの情報を、雑誌から得なくなったことも大きいでしょう。学生に定期的にアンケートを取っていますが、ネットで十分という声が多い。90年代後半から2000年代には、雑誌に読者のターゲットイメージがありました。ストリート系とかギャル系とか、「なりたい自分」に対してファッションをアドバイスしますよ、というのが雑誌の見せ方だったのです。

 分かりやすいオススメコーディネートがあって、メークもその通りにやればよかった。いわば、雑誌は教科書だったんです。昔は楽だったとも言えますね。

 現在は、SNS(交流サイト)で情報が山のように取れるようになったのはいいけれど、自分で能動的に情報を取捨選択していかないといけなくなっている。“お墨付き”がないから、自分が選んだものに自信や確証が持てない。その証左として、最近の学生は洋服を褒めると、ことのほか喜ぶんですよね。

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「アパレル企業を悩ませる“量産系女子”」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長