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百貨店3社トップ激白、“衣料崩壊”後の針路

百貨店の大閉鎖時代を乗り切る次の一手は?

2016年10月3日(月)

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 百貨店が大閉鎖時代を迎えている。三越伊勢丹ホールディングスは、三越千葉店(千葉市)と三越多摩センター店(東京都多摩市)を来年3月に閉店すると発表。セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は9月末に、そごう柏店(千葉県柏市)と西武旭川店(北海道旭川市)を閉めたのに続き、来年2月には西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)を閉店する。

 大手百貨店は、この大閉鎖時代を、どんな舵取りで乗り切ろうとするのか。三越伊勢丹ホールディングス、大丸松坂屋(J.フロントリテイリング傘下)、高島屋、そごう・西武(セブン&アイ・ホールディングス傘下)という、大手4社それぞれに話を聞いた。

大再編時代から、大閉鎖時代へ

 百貨店を取り巻く環境の厳しさは今に始まった話ではない。2000年後半から大再編が始まり、統合が相次いだ。2006年にそごう・西武がセブン&アイ・ホールディングス傘下となったのを皮切りに、2007年に大丸と松坂屋ホールディングスが合併し、J.フロントリテイリングが発足。続く2008年4月には伊勢丹と三越が経営統合し、三越伊勢丹ホールディングスが誕生するという百貨店の大再編時代を迎えた。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は言う。

 「百貨店は非常に固定費が高いビジネスモデルで成り立っている。当時は、業界再編により一緒になることで、コストを下げて行こうという流れがあった。一方、そうした間にもショッピングセンターやアウトレットモールの拡大、ファストファッションの上陸といったように、競合が次々と力をつけてきた。すでに『百貨』を扱うという意味での百貨店の定義はどんどん緩くなってきた。百貨店はビジネスモデルそのものが問われている」

三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長(写真:北山 宏一)

 業界再編の後も、外国人消費者のインバウンド需要という“干天の慈雨”を除けば、厳しい状況には変わりない。大西社長は続ける。

「百貨店の売り上げは、これ以上伸びないといっていい。少なくとも、伸ばすのは相当難易度が高い。売上高が前年に達していればよしという時代がずっと続いていて、マーケットは供給過多に陥っている」

 事実、三越伊勢丹ホールディングスの2016年4~6月期の売上高は2946億4600万円、営業利益は60億6200万円。営業利益は前年同期比で半減した。J.フロントリテイリングの2016年3月~5月期の売上高は2687億7600万円、営業利益は93億1800万円。営業利益は同じく12%の減少だった。訪日外国人の“爆買い”の失速は想像以上に早く、百貨店は待ったなしの改革が必要になってきた。

「所有価値」より「使用価値」の時代へ

 都心の旗艦店の稼ぎで、地方店舗や郊外店の赤字をカバーするのが厳しくなってきた結果、閉店ラッシュが始まったのだ。そごう・西武が閉店を決めた店舗は、ピーク時から半分程度に売上高が減少。大きく影響を与えたのが、衣料品の売上高減少だ。そごう・西武の商品部衣料品統括部長・吉田幸永執行役員は言う。

 「減少分のおよそ半分は衣料品によって失われた。国内ブランドで『これだ』というものがなくなってきたのと同時に、新たな購入チャンネルが台頭し、消費マインドも変化した。個人の財布の中で相対的にアパレルが負けている。所有価値で売れる時代は終わり、使用価値が大切になってきたと感じている」

 「婦人服は収益源だったこともあり、面積をどんどん拡大したが、それも結局は売り手の理屈だった。(衣料品メーンで売り場を作り続けたことで)百貨店の作りが世の中に追いついていけなくなった」

 大丸松坂屋社長の好本達也社長も衣料品の不調を強調する。

 「そもそも市場が少しずつ縮小しているにもかかわらず、売り場面積は徐々に増えているような状況だった。利益率も高く、ブランドの数を増やせば、多少ターゲットがかぶっていようが、5ブランドを10ブランドにして売り上げを倍にして、というやり方をしてきた。それがアパレルメーカーにとっても百貨店にとってもよかった時代があった。もうそのやり方は通じない。もっともっとお客様サイドに立つ必要がある」

大丸松坂屋の好本達也社長(写真:的野 弘路)

 衣料品の売り上げ減少が業績に大きな影響を与えているのは、どの百貨店も同じだ。高島屋の木本茂社長も婦人服への危機感は強い。

 「売上高に占める婦人服のシェアは2割を切っている状態。拡大はもはや望めず、下振れをいかに食い止めるかという状況になってきている。お客様が求める方向へシフトし、身の丈に合った削り方をしていく」

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「百貨店3社トップ激白、“衣料崩壊”後の針路」の著者

染原 睦美

染原 睦美(そめはら・むつみ)

日経ビジネス記者

日経パソコン、日経ウーマンオンラインを経て、2013年4月から日経ビジネス記者。IT担当などを経て、日用品・化粧品担当。趣味は洗濯、昼酒、ピクニック。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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