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NHK大越氏に聞く「魂に火を灯す五輪」とは?

リオ・ロンドン・アテネで見えた「レガシー」の意義

2016年10月7日(金)

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 10月10日放送予定のNHKスペシャル「東京2020 レガシー 未来に何を残すのか」では、オリンピック憲章に記されている、開催地に残されるべき有形・無形の社会的遺産「レガシー」を取り上げる。4年後に迫った東京大会ではどのような「レガシー」を残していくべきなのか。過去の開催地であるリオデジャネイロ、ロンドン、アテネの各都市をNHKの大越健介・記者主幹が訪れ、各国のレガシーを検証し、2020年開催の東京五輪に向けての課題を考える番組だ。

 筆者はアテネとロンドンでの現地取材で大越氏に同行した。治安対策や経済・政治問題が前面に報じられた印象が強い8月のリオ大会。2004 年にオリンピック・パラリンピックを開催したアテネでは、大会後に発生した経済危機もあって、大会用に建設された建造物の中には「ホワイト・エレファント(無用の長物)」と化したものも複数確認できた。雑草の生い茂る悲惨なソフトボール場や、現在も運用されつつも、片面はゴミだらけの競技用プールなどを目の当たりにした。比較してロンドンは、大会運営もレガシー面でも、概ね成功したと言われているが、その他の過去の事例から、五輪を開催することに否定的な声があがるのも無理はない。

 しかし、ロンドン大会はもちろんのこと、前述のアテネ大会でさえ「五輪など開催しなければ良かった」という市民からの大合唱は、少なくとも今回の取材を通じて聞こえて来なかった。この3都市でオリンピック・パラリンピックが残してきた「レガシー」とはどんなものだったのか。東京大会を成功させるために、必要なことは何か。取材を振り返る。

NHK(日本放送協会)の大越健介・記者主幹。「ニュースウォッチ9」でキャスターなどを務めた。

そもそもなぜ、オリンピック・パラリンピックの「レガシー」に着目したのでしょうか。

大越健介・記者主幹(以下、大越):僕は3歳で東京オリンピックを経験して以来、スポーツが大好きな私にとっては、4年に一度、冬を入れれば2年に一度のオリンピックはいつも心を興奮させてくれる特別な大会でした。子供の時にスポーツの素晴らしさに目覚めさせてくれたのは、東京でのオリンピックです。そのオリンピックを、ジャーナリストとして成熟してきた自分の年齢でもう一回経験する、という意味合いを考えた時に、僕はやっぱりこのオリンピックで「何か」をNHKの一員として視聴者に伝えなければいけないという強い思いに駆られました。

 それは何かと考えた時、競技の素晴らしさ、興奮というものを感じるということではなくて、オリンピックの持つ意味というものをもう一段、掘り下げて伝えることではないかと。その時に目に入ったのが、オリンピックの憲章にも書かれている「レガシー」という言葉だったんですね。

 このレガシーっていうのは決して過去のものではありません。現在とともに進化をして、未来に向かって生き続けていく、もっと積極的な意味を持つ「レガシー」であるということを知りました。私がテレビジャーナリストの一人として伝えるべきなのはこのレガシーであり、2020年の東京大会で作るべき「レガシー」とは何だろう?と考えるようになり、過去の例にまずそのヒントを探ろうと思ったわけです。それが、今回の番組を作ろうと考えた動機です。

取材を通じて見えた「レガシー」というのは、どのようなものだったのでしょうか?

大越:取材に訪れたリオ、アテネ、ロンドンと、いずれも、まず「モノ」「形」として残るレガシーというのはあると思います。いろんな施設であったり、インフラであったりというのはあまりにも有名ですよね。けれども、街をこうしっかりと新しい物へと再生していくという意味では、これらのレガシーは非常に大切だと思います。

 今、東京五輪を巡って「それだけの費用が必要なのか」という議論を呼んでいるのも、まさにそうした「モノ」「形」を成すレガシーだと思います。それが一つの狭い意味での「レガシー」です。

 ただ、僕が今回ずっと取材をして回って一番感じたのは、人々の、特に、将来を担う若い人々の心の中に宿る、ある種形のない、あるいはお金に換算できない「レガシー」があり、実はそれがとても重要だということです。形に見えない分だけ、なかなか表現するのは難しいのですが、今回の旅ではそれをまさに体現をしてくれている人たちと出会えたのが、僕自身にとっても一番の発見だったと思います。

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「NHK大越氏に聞く「魂に火を灯す五輪」とは?」の著者

伏見 香名子

伏見 香名子(ふしみ・かなこ)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)

フリーテレビディレクター(ロンドン在住)。東京出身、旧西ベルリン育ち。英国放送協会(BBC)東京支局プロデューサー、テレビ東京・ロンドン支局ディレクター兼レポーターなどを経て、2013年からフリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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