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オバマから引き継ぐ「サイバー攻撃」能力

ロシアに「ヒラリーのメールを探してくれ」と依頼

2016年10月14日(金)

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 ドナルド・トランプ氏の過激発言がヒートアップしている。10月3日の演説では、他国からのサイバー攻撃への対応策として「米国には攻撃用サイバー兵器が必要」と発言した。トランプ氏が大統領になった場合、米国のサイバーセキュリティ政策はどう変わるのか。安全保障に詳しい慶應義塾大学大学院の土屋大洋教授に聞いた。

(聞き手は小笠原 啓)

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

土屋 大洋 氏
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授(兼 総合政策学部教授)。専門は国際関係論、情報社会論、公共政策論。1999年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主任研究員や情報セキュリティ政策会議有識者構成員、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所(G-SEC)副所長などを経て、2011年4月より現職。

今回の大統領選挙では、サイバーセキュリティ関連の話題が尽きません。米民主党のヒラリー・クリントン候補は国務長官時代に私用のメールを利用していた件で、今なお嫌疑をかけられています。一方ドナルド・トランプ候補は10月3日、他国からの攻撃への対応策として「米国には攻撃用サイバー兵器が必要」と発言しました。

土屋:米国がサイバー攻撃能力を持っていることは周知の事実です。トランプ氏の発言で改めてそれが浮き彫りになりました。オバマ政権は今年に入り、過激派組織「イスラム国(IS)」に対してサイバー攻撃を実施する方針を明らかにしました。アシュトン・カーター国防長官が明言しています。

 サイバー攻撃には様々な段階があります。今のところ米サイバー軍は、相手の物理的な施設の破壊を目指すような手法はほとんど取っていません。一方、相手のシステムの脆弱性を探すという意味では、日常的にサイバー攻撃を実施しています。

 逆に、米国もサイバー攻撃の対象になっています。米サイバー軍の司令官は、1日400万件もの攻撃を受けていると発言しています。

サイバーに鋭い“嗅覚”

大統領選が大詰めを迎えたこの時期になぜ、トランプ氏はこんな発言をしたと考えますか。

土屋:恐らくトランプ氏は、自分の発言が外交や安全保障にどんな影響を及ぼすかを考えていないでしょう。しかし彼のサイバーに関する“嗅覚”は非常に鋭いと感じます。

 今年7月、米民主党全国委員会に対してサイバー攻撃がありました。ロシア政府が主導したとされています。民主党幹部のメールが流出したことで、クリントン氏が候補に指名された内幕がさらされました。トランプ氏はこの件に関連してロシアに対し、「ヒラリーのメールを探してくれ」と依頼しています。

「もしトランプが大統領になったら…」のバックナンバー

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「オバマから引き継ぐ「サイバー攻撃」能力」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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