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石破氏:トランプは「トランプ」を演じている

駐留費用負担を求めるのは米軍を傭兵化することだ

2016年10月14日(金)

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 11月8日に投開票を迎える米大統領選挙。順当なら民主党のヒラリー・クリントン氏が勝利すると予測されているが、健康問題や電子メール問題などを抱えているだけに予断を許さない。対する共和党のドラルド・トランプ氏は女性軽視発言などが発覚して劣勢に立たされているものの、支持率はそれほど落ちていない。暴言を繰り返しても致命傷にならないところがトランプ氏の強さでもある。

 日経ビジネスでは「もしもトランプが大統領になったら(もしトラ)」という仮定の下、世界にどのようなインパクトを与えるのかを検証する。世界最大の経済・軍事大国である米国の大統領は、同盟国である日本の経済や安全保障に多大な影響を与える。

 トランプ氏は選挙期間中、日米安全保障条約の見直しに言及した。そこで元防衛大臣の石破茂衆院議員に話を聞いた。

(聞き手は坂田 亮太郎)

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

トランプ氏は「我々(米国)は日本を守ってやっているのに、日本は費用を負担していない」という趣旨の発言をしています。実際、日本が駐留米軍のために年間数千億を負担している事実を知らないのか、知っていてあえて発言しているのかは分かりません。元防衛大臣として、どのように受けとめましたか。

石破:それは米国ではよくある議論であって、別にそう取り立てて目新しいお話でもない。国民に向けて敵を外につくって、自分の存在を際だたせるというのは、よくある手法ですよ。実際に政権に就いてまで、その主張を実現しようとするとは、私は思っていません。

石破茂(いしば・しげる)氏 1957年生まれ、59歳。鳥取県八頭(やず)郡八頭町郡家(こおげ)出身。79年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)入行。86年、旧鳥取県全県区より全国最年少議員として衆議院議員初当選、以来10期連続当選。農林水産政務次官(宮澤内閣)、農林水産総括政務次官・防衛庁副長官(森内閣)、防衛庁長官(小泉内閣)を経て、2007年に福田内閣で防衛大臣。国会では、規制緩和特別委員長、運輸常任委員長、自民党では過疎対策特別委員長、安全保障調査会長、高齢者特別委員長、総合農政調査会長代行等を歴任。その後も2008年に農林水産大臣、2009年に自由民主党政務調査会長、2012年に同幹事長、2014年に国務大臣 地方創生・国家戦略特別区域担当(2016年8月に退任)。趣味は、料理(カレーには自信あり)、読書(特に漱石、鴎外、井上靖、五木寛之、福井晴敏)、遠泳。好きな食べ物はカレーとコロッケ(写真:菊池 くらげ、以下同)

 過去の歴史を見ても、例えばロナルド・レーガンは大統領選挙のときに、中国に対抗して台湾と国交を回復すると言っていました。ジミー・カーターは、選挙中には韓国から米軍を引き揚げると言っていました。しかし実際彼らが大統領になってからは、一切そんなことはしていないわけです。

選挙キャンペーン中と実際に政権に就いてからは、行動が大きく変わってくると。

石破:そうですね。少なくとも今まではそうでした。だからまともに考えればトランプ氏も今言っていることを実現したりはしないと思います。ただ、我々としてはそう楽観的なことばっかりも言ってもいられないので、トランプ氏がそう言い出した要因自体を、よく考えておかなければなりません。

 それは、米国にとっての日本の価値とは何かということです。地政学的な位置、高い工業力、勤勉な国民、そして治安の良さなどに鑑みれば、米国の世界戦略にとって、日本は欠くべからざる存在です。だから、米国が自国の軍隊を日本に駐留している意義があるのです。

 日本が米軍駐留に関して負担している費用には、土地・施設関連に加え、「ホストネーションサポート(受け入れ国支援)」といわれる、米国が駐留する諸外国にはない労務費関連もあります。そのような日本の支出は米国の利益に合致するものであり、日本は決してただ乗りしてはいないということ。まっとうに考えれば、分かることだと思いますよね。

トランプ氏にもブレーンがいるはずですから、分かっていて発言していると言うことですか。

石破:おそらく、そうでしょう。ただ、もし本当に米側がそういうことを言い出したときは、「いや、それは事実ではない」と理路整然と説かなければなりません。そもそもどこまでを「米軍の駐留に関する負担」と考えているのか分かりませんが、日本に負担できるものには当然限度があります。

 駐留米軍費用をもっと負担をしろというのは、ある意味「傭兵化」を意味するわけです。日本がカネを出して米国の軍人を日本に置いておく、という関係性があまりにも明確になったら、突き詰めればそれは日本の負担で米軍人を用心棒として雇っているということになります。そんなことを米国の国民が許すのでしょうか。米国の軍人に対しても、極めて侮辱的な話ではないでしょうか。

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「石破氏:トランプは「トランプ」を演じている」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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