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大統領vs議会、対立の構図が40年ぶりに変る

前嶋和弘・上智大学教授に聞く

2016年10月17日(月)

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もしもトランプ氏が大統領になったら、トランプ大統領と米共和党の連邦議会議員たちは一体どのような関係になるのか? はたまた、米民主党の議員も含めた連邦議会との関係はどうなるのか? 選挙と議会に焦点を当てて米国の現代政治を研究している、上智大学の前嶋和弘教授に話を聞いた。(聞き手 森 永輔)

日経ビジネスオンラインは「もしトランプが大統領になったら…」を特集しています。
本記事以外の特集記事もぜひお読みください。

前嶋和弘(まえしま・かずひろ)
上智大学総合グローバル学部教授。専門は米国の現代政治。中でも選挙、議会、メディアを主な研究対象にし、国内政治と外交の政策形成上の影響を検証している(写真:加藤 康)

女性蔑視発言を記録したビデオの存在が、2回目のテレビ討論会の直前に明らかになり、トランプ氏に対する批判が再び高まっています。米下院で議長を務める米共和党のポール・ライアン氏は「もう擁護しない」と発言 。トランプ氏を距離を置く姿勢を示しました。2008年の大統領選で共和党の候補となった同党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員も反発しました 。

 トランプ氏が大統領になった場合、与党となる共和党の議員たちはうまくやっていけるのでしょうか。

前嶋:そうとうにギクシャクした関係になるでしょうね。1970年代以来の大きな変化が生じると思います。大統領と議会、米共和党と米民主党の関係はこれまで、「分極化」と呼ぶ状態が続いてきました。これが変わる可能性があります。

 分極化は大きく2つの要素からなります。一つは保守である共和党とリベラルである民主党との政策が大きく離れた状態になること。もう1つは、共和党の議員同士、あるいは民主党の議員同士が固まることです。共和党の議員は、共和党が出した法案には賛成するが、民主党が出した法案には反対する傾向が強いのです。

 70年代は、こうではありませんでした。同じ党に属す議員の50%ほどしか、同じ法案に賛成(あるいは反対)しなかったのです。このため、共和党と民主党のそれぞれから賛成する議員を集め、法案を成立させていたわけです。米国は日本と異なり、議員の投票に対する党議拘束が強くないことが背景にありました。今は、この数字が90%に高まっています。

拒否権と再可決の応酬

 トランプ大統領が誕生するとこの分極化が崩れ、共和党の議員と民主党の議員が反トランプで共闘することになるでしょう。

具体的にはどんな事態が起こり得ますか。

前嶋:一つは、トランプ大統領が進めようとする政策を実行するのに必要な法案を議員が議会に提出しない事態が考えられます。米国の大統領は法案の提出権限を持っていないので、議会が動かないと公約を実現することができません。

 もう1つはトランプ大統領が飲めない法案を、いくつも出し続けることが考えられます。トランプ大統領は拒否権を発動して応じるでしょう。すると、議会が再可決して覆す。

 米議会が9月28日に「テロ支援者制裁法(JASTA)」を再可決し、オバマ大統領の拒否権を覆したのは記憶に新しい出来事です。この法律は、米国内でのテロ活動を支援・扇動した疑いで、米国民が外国政府を提訴できるようにする内容でした。

 オバマ大統領にとって、拒否権を覆されるのはこれが初めてのことでした。

コメント2件コメント/レビュー

トランプが大統領に当選して、この記事で書かれてることがいよいよ現実味を帯びてきましたね。今後のアメリカ政界の行方を、この記事を下地に見守って行きたいと思います。(2016/11/09 20:44)

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「大統領vs議会、対立の構図が40年ぶりに変る」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

トランプが大統領に当選して、この記事で書かれてることがいよいよ現実味を帯びてきましたね。今後のアメリカ政界の行方を、この記事を下地に見守って行きたいと思います。(2016/11/09 20:44)

昨今の産学共同(協働)は、骨の髄までもなめあっているかのような観。本来は共同(協働)の精神は持ち合いながら、学問の府たると、技術の発達と相俟った実業の世界は個の存在として確固と自律していて欲しい。これは社会の倫理・道徳のあり方に類似したものと思う。リーダーと議会をして、対立だ、お神酒・徳利であるべし等と姦しいが、そもそも左様になるように作って置いてそのこと自体に文句を言うのは可笑しい。議会を解剖するにその構成者たる一人にして自ら縦割りの不合理や矛盾を言うが謂わば右顧左眄して衆議一決していることを数を頼んだ党議拘束を以て衆議一決と錯覚しているに過ぎない。全きコモンズの発生に立ち戻って考えてみれば、社会の構成者の生活の居場所元標は家、その家の地域、その地域の広域圏等々と拡大されているだけ。にも拘らずその地域や広域圏に定められた数の行政官を選挙し、脈略もなくその機能やミッションを個別に定めるから理の当然の帰結とした混乱乃至反目が起こる。民主主義政治の核はこうなったらいい、こうして欲しい等極く素朴なコモンズの発生が原点であることを念頭に置くことと考えるが如何。(2016/10/17 10:02)

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